ビジネス

2020.04.10

コロナショックが可視化したクラウドキッチンの可能性

Photo by zhang kaiyv on Pexels.com

飲食はたとえそれがどのような時代であっても、経営し続けることが非常に難しいビジネスです。 その為、新規開業飲食店の60%が最初の1年以内に、80%が最初の5年以内に失敗してしまいます。

飲食ビジネスの失敗率が高い理由は次のようなケースがあります。

・消費者の嗜好の変化
・低い利益率
・離職率の高さと慢性的な人材不足
・マーケティングの不在(間違った立地/ターゲットやコンセプト)
・消費者のためのデジタル体験の低さ・ITリテラシーの低さ

2020年のブラックスワンである新型コロナウイルス(COVID-19)は、依然世界中で猛威を振るっており、これを受け全世界でレストランの訪問者数は減少し続け、消費者需要は急激に落ち込みました。

これはデータからも明らかです。PYMNTSのCOVID-19 Briefシリーズの最新版によると、流行が始まってからレストランで食事をする消費者のシェアは85.2%減少し、11日間で52.3%減少しました。これは今までのデータで観測された行動の変化として最大と言われています。

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〈Navigating-COVID-19-Pandemic-Life-On-Lockdown-Edition-March-2020より抜粋〉

またこのデータセットのトラフィックは単にテイクアウトにシフトしていないことにも注意が必要です。 外食の代わりに注文することが増えたと答えたのはわずか16%なのです。

これはレストランにとって非常に厳しい現実です。消費者が「withコロナ〜Afterコロナ」でどのように行動変容するのか、今その答えを知ることは誰もできないし、結果に影響を与えることもできません。

そもそも、コロナショックはいつ終わるのでしょうか?

ワクチンが開発されている間にもまた新たな波があるのでしょうか?

外界との接触に飢えた消費者は、開店と同時にレストランに殺到するのでしょうか?それともこれからは閉鎖的な人混みの中にいることに少し警戒心を持つのでしょうか?

ビジネスマンはすぐに仕事に戻るのか、それとも経営者はオフィスのオープンに極端に慎重になるのでしょうか?

このように外食産業を取り巻く多くの事象は流動的になり、大半のレストラン経営者は自分たちのコントロールの及ばないことを心配する時間も余裕もなく、日に日に体力気力を削られてしまっているように感じます。
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