ビジネス

2020.04.10 06:30

コロナショックが可視化したクラウドキッチンの可能性


新時代への適応に必要なもの


そんな中でも、私の知り合いのあるレストラン経営者は、決意と革新で危機を乗り切る方法を見つけています。そのレストランは、実店舗でのビジネスをデリバリー販売のみに切り替えることで飲食事業を継続・維持しています。

これは全く難しい話ではありません。

COVID-19により、レストランは、食事に来たお客に対しお店を閉めることを余儀なくされ、デリバリーがお客にサービスを提供するための唯一実行可能な手段となりました。

このレストランはその事実を正しく理解し、すぐに店舗オペレーションをデリバリー店舗として最適化することで危機を乗り切っています。(我田引水で恐縮ですが)彼らは、ククピークラウドキッチンの導入を選んでくれました。

このサービスを通し、デリバリーに特化したフードメニューとデリバリーサービスを活用することで、今では以前のレストラン業態以上の利益を上げています。これはレストランが自らピンチをチャンスに変え見事に結果を出した事例です。

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〈ククピークラウドキッチンの仕組み〉

コロナショックは、レストランにとって間違いなく大きなパラダイムシフトとなります。

それは、COVID-19がレストランを襲った危機が「稼働しているレストランを、望むと望まざるとにかかわらず、本質的にゴーストキッチン(クラウドキッチン)へと変えてしまった」ことで明らかです。

そしてこの流れは不可逆的です。なぜなら、このクラウドキッチンシステムが「withコロナ〜Afterコロナ」において、既存レストランシステムよりもはるかに多くの利益を上げることが証明されるからです。

では、この前例のない時代に事業を存続させる為にレストランや飲食事業者に必要なことは一体何でしょうか?私はそれはただひとつ〈適応〉できる事と考えます。〈適応〉することが、今日の飲食店に開かれた唯一の生き残る選択肢です。

ここでは3つのポイントを紹介します。

在庫を最大化する
需要が不透明な中、手元に何があるのか、どの食材が腐る可能性があるのかを確認することが重要です。レストラン経営者はリーンな状態を維持しキャッシュフローを最大化するために、少なくとも優先順位の高い食材の在庫数を毎日確認することをお勧めします。そして、手元にあるものを把握したら、それをどのようにして収益性の高いメニューアイテムにパッケージするかを知ることが非常に重要です。

ベンダー(仕入先)と連携する
ベンダーは、今手元に在庫が多く取引が少ないという不安定な状況にあります。ベンダーと協力して、必要とされる主要な食材の価格や支払い条件を交渉してみましょう。

デリバリーサービスを導入する&メニューをデリバリーに最適化する
UberEats等のデリバリーサービスを導入しましょう。その際は提供メニューをシンプルにして且つ十分なマージンを確保しているかどうかを確認してください(デリバリープラットフォームへの支払いとして35〜40%を計上してください)

そして、ここで特に大事なのは、「デリバリーで売れるメニューとレストランで売れるメニューは違う」という認識を持つことです。
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