ひとつ目のアイデアは、営業の傍島篤夫による、Prototype for 息子の中也くん。4歳になる中也くんは、薬を飲むのを嫌がる。
ゼリー状のものに混ぜたり、体をおさえつけたりと、息子が風邪をひくたびに傍島は苦労していた。そんな薬嫌いを解決するために、彼は息子が大好きなものと薬を組み合わせた。中也くんがはまっている「電車」とのドッキングである。カラフルな電車の絵を描いた粉薬の袋をつくったのだ。ほかにも「元気行き」の切符が描かれた紙袋や、電車に見立てたカプセル、包むと電車の形になるオブラートなど、息子が喜びそうな薬をつくってみせた。すると、「どこのお薬屋さんでもらえるの?」と薬を欲しがるまでになったのだ。電車以外にも子どもたちが好むモチーフを使えば、薬嫌いの子どもたちはずいぶん少なくなるだろう。
1:アイデアシート
営業の傍島篤夫による「Prototype for 4歳の息子」。 薬を飲むのを嫌がる息子のための「ファンシークスリ キット」
2:実際に作ってみた!
息子が大好きな 「電車」と嫌がる 「薬」のドッキング。イメージ案を絵に起こし、市販のオブラートを使って工作開始。
3:完成品
「元気行き」の切符が描かれた紙袋、電車に見立てたカプセルなど、 まさに“Prototype for 息子の中也くん”が完成。
続いてご紹介するのは、コピーライター舘林恵による、Prototype for インコのみどりちゃん。みどりちゃんは、「めぐ、かわいい!」と、いつも舘林を元気付けてくれる。そんなみどりちゃんがひとりのときも寂しくないようにと考えたのが、インコのための音声教材。「コマネチ」という一発ギャグを吹き込んだ音声データを彼女が留守の間、繰り返し聞かせるというオリジナル教材をつくった。みどりちゃんが飽きたり、やる気を失ったりしないように、「みどりちゃん、頭がいいね」といった言葉を挟むのがポイント。2週間くらい聞かせているが、習得まではまだもう少し時間がかかりそうだ。インコの教育に目覚めた舘林は「結婚は、鳥かごのようなものだ モンテーニュ」といった哲学的な(?)言葉を教える教材制作にも取り掛かろうとしている。