米ホテル・ロッジング協会(AHLA)が立ち上げたイニシアチブ「Hospitality for Hope(希望のためのホスピタリティー)」は、一時的な滞在場所を提供しているホテルと救急隊員や医療従事者を仲介するもので、1万5000以上のホテルが参加。主に医療関係者への住居提供に焦点を当てたものだが、一部のホテルは仮設病院や隔離施設として使用される可能性もある。
AHLAのチップ・ロジャース社長兼最高経営責任者(CEO)は「人々のケアをする業界であるホテル業界は、この公衆衛生上の危機の最前線に立って最初の対応に当たる人々へのケア提供を通じたコミュニティー支援ができる独特な立場にある」と指摘。「このイニシアチブが発表されてから短期間の間に、参加ホテルは6000近くから1万5000以上に増えた」、「既に、既存の医療施設の近くに位置する計230万室を特定している」と述べている。
これとは別に、ヒルトンはアメリカン・エキスプレスと共同で、COVID-19対応の最前線に立つ医療関係者向けに全米で最大100万泊分のホテル滞在を寄付すると発表した。両社は来週から、睡眠・休憩場所や自分を家族から隔離する場所を必要とする医師や看護師、救急医療技師(EMT)、救急医療隊員などに対し、5月末まで無償で部屋を提供する。
ヒルトンのクリストファー・ナセッタ社長兼CEOは「この危機の中で、大義のために自分を犠牲にし、最も困難な状況で働く非常に多くの医療関係者を私たちは目にしてきた。こうした人々は、まさに英雄だ」と表明。「私たちはこの困難な時期に、こうした人々にヒルトンのホスピタリティーを提供でき、光栄に思う」と述べた。