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2020.04.09 10:30

テスラが全社員に減給、工場労働者らに「一時帰休」発令へ

イーロン・マスク(Yasin Ozturk / Anadolu Agency / by Getty Images)

テスラは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、カリフォルニア州フリーモントの工場でのEV(電気自動車)の製造を一時停止しているが、5月4日までに製造を再開させる計画だ。

しかし、同社はそれに先立ち、全社員の減給に踏み切り、数千名の工場の労働者らに「一時帰休」措置を適用する見通しだ。

フォーブスは、テスラの人事部門のValerie Workmanが4月7日の夜に送信した社内Eメールを入手した。それによると同社は4月13日から、バイスプレジデント以上の社員の給与を30%削減し、取締役以上は20%の減給とする。それ以外の社員の給与は10%のカットとなり、海外のスタッフにも同様の措置を検討中という。

新たな給与基準は第2四半期の終わりまで適用されるとWorkmanは述べている。「今回の措置は、困難な状況への対処に必要となる集団的犠牲だ」と彼女は続けた。

さらに、Workmanによると、自宅からの勤務が困難でオフィス外での重大な任務を割り当てられていない雇用者らは一時帰休の対象となるという。これにより、フリーモント工場に勤務する1万人以上の労働者の大半が、影響を受けることになる見通しだ。

これらの社員は、モデル3やS及びモデルXやYの組み立て工程に従事しているが、ニューヨーク州のバッファロー工場でソーラーパネル製造に関わる雇用者らの多くも、対象になりそうだ。

一時帰休の対象となった社員はその期間の賃金を得られないが、健康保険などは維持される。この措置は4月13日に始動し、早ければ5月4日に工場の再稼働が始まり次第、解除される。

「正式な通知は今後数日以内にEメールで送信される。そこには、失業保険申請の提出の仕方も添付されている」とWorkmanは述べた。

テスラにコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。

今後の業績に影響の懸念


テスラがこのような措置をとるのは初めてのことだ。米国の自動車メーカーらは、前例のない公衆衛生上の危機により、休業に追い込まれている。さらに、今回の動きは4月2日に、アナリスト予想を上回る第1四半期の納車台数予測を発表したばかりのテスラの業績が、変動する可能性を示唆している。

2日の時点でイーロン・マスクやテスラの経営陣は、減給や一時帰休に関わる動きに、一切ふれていなかった。テスラは第1四半期の決算発表の場で、この措置や今後の業績予想の詳細を開示する見通しだ。

テスラの株価は納車台数レポートを受けて、4月3日に急騰したが、一部の投資家はコロナウイルスの影響は、第2四半期の業績に打撃を与えると予想していた。ただし、マスクは当局による工場の操業停止命令を受けた後も、それを無視し、3月23日まで工場を稼働させており、生産台数の減少が一定レベルで食い止められた可能性もある。

テスラの株価は4月7日のナスダック市場の日中取引で6%近く上昇し、545.45ドルに達していた。

編集=上田裕資

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