バリ島の若き姉妹はどう脱プラを推進したか。世界を変える3つのステップ

バイバイ・プラスチックバッグ創始者のメラティ・ワイゼン(右)と妹イザベル(GettyImages)

17歳の環境活動家としてグレタ・トゥンベリが有名ですが、世界には若き活動家たちが増え続けています。バリ島の姉妹が始めた脱プラスチックの取り組みとは。世界経済フォーラムのアジェンダからご紹介します。


・2人の若い変革者が、出身地であるバリ島のプラスチック廃棄物に対する果断な行動を起こしました。
・彼らは、島で使い捨てプラスチックを禁止するためのキャンペーン「バイバイ・プラスチックバッグ」を立ち上げました。
・2019年には、使い捨てプラスチック袋、ストロー、発砲スチロール製品が禁止されました。
・現在、彼らは世界中の未来の活動家に対し、活動家として成功するためのアドバイスを行っています。

世界中で、メラティ・ワイゼンとその妹イザベルのような若者たちが立ち上がり、自らと地球の未来を守るための変革に向けた活動を行っています。

彼女たちが育ったインドネシアのバリ島では、太陽の光がさんさんと降り注ぐビーチに波が運んできたプラスチック廃棄物が散乱するようになっていました。2013年に、当時12歳と10歳であった姉妹は、何か行動を起こすべきだと決意しました。

メラティは、良い変化を起こすために誰もが活用できる3つのステップを提言しています。

ステップ 1. 自分自身を知る


「自分が大きな情熱を注げるもの、四六時中そのことを考えてしまうようなものを見つけることが重要。ひとつの事に集中することで、変化をもたらす具体的な方法を見つけることができるからです」(メラティ・ワイゼン、バイバイ・プラスチックバッグ創設者)

ゴミに覆われるビーチにうんざりしていた彼女たちは、2013年に、バリ島で使い捨てプラスチック製品を禁止するキャンペーン、バイバイ・プラスチックバッグ (BBPB)を立ち上げました。

キャンペーンのスタート時、バリ島では1日に14階建ての建物を埋め尽くすほどのプラスチック製品が生産されていました。そして、95%のプラスチック袋は1度使用されただけで捨てられていました。

BBPBの活動は島の若者たちを動かし、彼らのこの問題に対する意識を高め、当局に対して行動を起こすよう圧力がかかるようになりました。

ステップ 2. 目標達成の方法を知る


「タイムラインで考えましょう。ステップ1、ステップ2、それぞれ何をするか?その内容は、一人ひとり異なるため、必ずしも簡単ではないこともあります」と、メラティは語ります。

「バイバイ・プラスチックバッグの目標は、プラスチック袋を禁止すること。しかし、そのために私たちは、ビーチの清掃や教育的ワークショップ、他の多くの活動家たちと対話をするというところから始めました。これらは目標達成のための様々な方法の一例です」

姉妹は、ビーチの清掃を企画し、学校やお祭り、市場でスピーチを行いました。彼女たちは自らの信念に注目してもらうため、ハンガーストライキを行ったり、バリ島知事への面会を求めたりもしました。

6年にわたるたゆまぬ努力の末、バリ島ではついに2019年に、袋、ストロー、カップや食品容器などの発泡スチロール製品を含む、使い捨てプラスチック製品が禁止されました。
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文=Johnny Wood, SeniorWriter, Formative Content

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