IoT通信に特化の衛星スタートアップ「Myriota」が20億円を調達

(C) MYRIOTA

小型衛星を活用したIoT向け通信ネットワークの構築を目指すスタートアップ「Myriota」が4月6日、シリーズBラウンドで1930万ドル(約21億円)を調達したとアナウンスした。今回の調達は、オーストラリアのベンチャーキャピタルのHostplusとMain Sequence Venturesらが主導した。

アデレードに本拠を置くMyriotaは、新たな資金を用いて今後の2年で小型衛星を25基に増やし、社員数を増大させ、海外市場への進出を加速させるという。

「現在も地球の90%のエリアで、IoT向けの十分なネット接続が確保できていない。低コストで打ち上げ可能な通信衛星への需要は高まっている」と、MyriotaのCEOのAlex Grantは述べた。

Myriotaは4基の小型衛星を保有し、2018年に約10人だった社員数を、現在は40人以上まで増大させた。同社はこの分野の優れた人材をそろえ、取締役には元NASAの宇宙飛行士でスペースシャトルのパイロットを務めたPamela Melroyを迎え、ドイツのリモート接続ソリューション企業TeamViewerのグローバル部門を率いたBarbara Swansonが、チーフ・レベニュー・オフィサーを務めている。

Myriotaは2013年に、世界初のIoTデータの送受信に特化したナノサテライト(超小型衛星)を開発し、この市場に乗り込んだ。Grantによると、同社のネットワークは地上の通信インフラを一切用いずに、地球上のあらゆる場所からデータをクラウドに転送すことを可能にするという。顧客らは、迅速なプロダクト開発を可能にするツールキットへアクセス可能になる。

「今後のネットワークの拡大により、当社はデータのアクセシビリティを向上させ、世界の顧客にセンサーを通じたつながりをもたらしていく。顧客には、風力発電企業や環境分野の研究者らが含まれ、従来よりも低コストで効率的な惑星探査ミッションも可能になる」とGrantは続けた。

Myriotaの通信ネットワークは、農業や輸送分野での活用も想定できるという。

「当社のテクノロジーは業界最高水準のコネクティビティを武器に、世界のあらゆる場所にリーチを広げ、人々の暮らしに変化をもたらしていく」とGrantは語った。

編集=上田裕資

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