緊急事態宣言でどう変わる? 海外のロックダウン生活からヒントを探る

安倍首相は4月7日、緊急事態を宣言した。 (GettyImages)


緊急事態宣言後、休業要請の対象となる施設は


東京都は4月6日、政府が緊急事態宣言を発令することを受け、商業施設や娯楽施設など、幅広い業種に営業休止を要請したい考えを示した。現在、政府などとの調整をしており、4月10日にも公表される見込みだ。「特措法」は、学校、社会福祉施設、興行場、その他の政令で定める「多数の者が利用する施設」の使用制限や停止を要請することができる。

東京都は対応案で、具体的な使用制限の対象となる施設を、「基本的に休業を要請する施設」「施設の種別によって休業を要請する施設」「社会生活を維持する上で必要な施設」の3類型を用いて提示している。

1.「基本的に休業を要請する施設」には、娯楽施設や遊戯施設が含まれる。

大学や専修学校など教育施設、自動車教習所、学習塾、体育館、水泳場、スポーツクラブ、ゴルフ練習場、ボウリング場、バッティング練習場、ライブハウス、劇場、映画館、集会場、展示場、博物館、美術館、図書館、百貨店、ショッピングモール、マーケット、ホームセンター、理髪店、質屋、キャバレー、ナイトクラブ、バー、個室ビデオ店、ネットカフェ、漫画喫茶、カラオケボックス、パチンコ店、場外車券売り場、ゲームセンターなど。

2.「施設の種別によって休業を要請する施設」には、文化施設や社会福祉施設が含まれる。

学校(大学を除く)や、介護老人保健施設など。

3.「社会生活を維持する上で必要な施設」には、医療施設、食料品店、飲食店、交通、金融機関等が含まれる。

スーパーマーケット、コンビニエンスストア、卸売市場、病院、薬局、診療所、ホテル、バス、タクシー、レンタカー、電車、物流サービス、工場、公衆浴場、飲食店(営業時間の短縮、居酒屋は休業の要請)、金融機関や官公署など。

小池都知事は4月6日夜の記者会見の中で、鉄道やバスなどの公共交通機関、医療施設、金融機関は原則、通常通りとして、今回の緊急事態宣言はいわゆる「都市封鎖ではない」と強調。生活に必須のサービスは緊急事態宣言後も営業を継続する方針だ。

TOHOシネマズ
映画館などは休業を要請される対象となる。(Shutterstock)

海外で「ロックダウン」生活を送る人々の過ごし方


外出禁止への法的強制力はないとはいえ、緊急事態宣言後は感染拡大の片棒を担がぬよう細心の注意を払って生活することが求められる。それに伴い、生活での不便も多くなり、生活にストレスを感じることも少なくないだろう。

緊急事態宣言後の暮らしはどうなるのだろうか。ヒントを探るため、海外で「ロックダウン」生活を送る人々に話を聞いた。

3月17日から「ロックダウン」に入ったパリで生活をしているフリーランスの太田千鶴さんは、意外にも「生活面は不便を感じていない」と述べる。マスクと消毒液が相変わらず入手困難なことを別にすれば、スーパーの商品は豊富に揃っているという。コロンビア大学大学院に通う本多正俊志さんも、アマゾンの配達が遅くなっているのを除き、これといって不便はないと述べ、ポジティブな意見を寄せた。「僕はロックダウン以降、生活としては普段より人間らしい、落ち着いた生活を取り戻しています。QOLも悪くないです」

日本でも、生活に必須のスーパーマーケット、薬局などは引き続き営業する。悪質な買い占めなどがなければ、この点について過度な心配は無用かもしれない。
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文=渡邊雄介

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