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参加者が1キロ走るごとに、アディダスが1ドルを寄付する「RUN FOR THE OCEAN」

東京・六本木のアディダス ジャパンのオフィスを訪れた際、日本茶が紙のカップで供された。2017年以来、オフィスでのプラスチックフリーに取り組む同社は、プラスチック製ファイルやカップを除去。ペットボトルや、プラスチック製ポーションに入っているコーヒークリームが使用できないため、必然的に来客には日本茶をサービスするようになったのだという。

もちろん社員にも竹製マイボトルやエコバッグを配布し、コンビニやスーパーマーケットでビニール袋を断ることができた日などに加算されるポイントプロジェクトも実施。全社をあげてプラスチックの使用回避に臨んでいる。

「アディダスが本気でプラスチック除去に取り組む」──その姿勢が最初に消費者の目に触れたのは16年、世界の全直営店舗でプラスチック製ショッピングバッグを廃止し、紙製バッグに移行したときだろう。毎年約7000万枚もの削減につながる本施策は、EUが2018年1月に策定した欧州プラスチック戦略(2030年までにすべてのプラスチック包装のリサイクルの徹底を目指す)に先駆け、先鋭的なプロジェクトとして報道された。

海洋プラスチックが一足の靴へ


また記憶に新しいのは海洋プラスチックが引き起こす危機的な状況解決に取り組む海洋環境保護団体Parley For The Oceansとの共同商品開発だろう。2015年、プラスチック廃棄物をアップサイクルした1足のプロトタイプから始まったこのプロジェクトは、3年を経て、トレーニングウェア、アウトドアウェア、さらにはサッカーユニフォームへ拡大。海岸や海沿いの地域で回収されたプラスチック廃棄物を細かく裁断し、高性能のポリエステル織糸に再生させるという循環型のリサイクルにより、19年には1100万足を生産する予定だ。


Adidas Alphabounce+ Parleyモデル

さらに24年までにすべての製品に100%リサイクルしたポリエステルを採用すると公約しているアディダスは、今年4月、完全に再生可能なランニングシューズ「FUTURECRAFT.LOOP」を発表した。これは、最初に購入されて寿命を迎えたシューズがアディダスに返却されると、製品は洗浄され、ペレットに粉砕され、新しいシューズのコンポーネント用の素材として溶かされるという画期的なアイデアだ。

つまり、ペットボトルやフィッシュネットなどの“ゴミ”からシューズが製造されるのではなく、シューズがシューズとして再生され、ついには“ゴミ”という概念すら消失させる循環型再生プロセス。現在は21年春夏の一般発売を目指し、第一世代のモデルがβ版として展開されている。

text and edit by Miyako Akiyama

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