G-Star RAWが目指す「時代を経ても愛されるデニム」

食用廃棄物を染料にした EarthColors (R) のカプセルコレクション


未来に責任をもつデザイン設計


デニム業界の最大の問題は、綿花栽培から染色、洗浄に至る過程で有害物質を含んだ大量の水やエネルギーを排出し、環境に深刻なダメージを与えていることにある。G-Star RAWは、環境に配慮した素材を使い、カーボンマネジメントや水質管理を強化することで、この課題をすでに解決しつつある。

驚くことに、ほぼ、100%の水をリサイクルさせることに成功しているのだ。また、食用の廃棄物を再利用した特別な染色、ウォッシュ技術を確立したことで循環性が強化され、リユース率の高いデニムコレクションも続々と発表している。

「2014年から、私たちはトレーサビリティーを強固にし、ひとつのコレクションが、どのような素材性質をもち、どういう工程を経て製品化されたか詳細な製造マップを公開しています。また、社外の専門家とともにグローバルサステナビリティチームを編成し、サプライヤーの監視体制を強化しました。エシカル製品をつくるには、開発途上国の労働環境を改善することも必要です。彼らのモチベーションを高めることで、環境にやさしい良質な製品が完成するのです。サステナビリティを推進する企業として、こうした情報をすべて開示しています」

G-Star RAWはなぜ、ここまでサステナビリティにこだわるのだろうか。「想像してみてください。20年先、あるいは100年先にある世界を。私たちは、未来を生きる人々の暮らしに対して責任をもたなければなりません。そのためには、循環性が何よりも大切なキーワードになるのです」


アドリアーナ・ガリヤセヴィッチ◎2011年G-Star RAW入社。デザイン、デニム生地、仕上げなどの部門を経験。現在はデニム&サステナビリティ エキスパートとして、持続可能な素材の採用と循環的なビジネスを導入する役割を担っている。

text by Hiroshi Shinohara edit by Akio Takashiro

この記事は 「Forbes JAPAN 「スポーツ × ビジネス」は、アイデアの宝庫だ!12月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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