『孤独のグルメ』が教えてくれた、つまらない人生から抜け出すたった1つのコツ

ハ・ワン著、岡崎暢子訳『あやうく一生懸命生きるところだった』から


“孤独の失敗家”の道を歩もう


みんなが良いというものは、はたして自分にとっても良いものなのだろうか? 確かに失敗する確率は低い。少なくとも中の上くらいではあるだろう。しかし、自分にしっくりくるかというと難しい。それどころか最近は、他人のおすすめで選んだ結果、自分の好みが世間とかけ離れている事実を知り、人の好みは十人十色なんだなあと悟ることも少なくない。

それでも僕らは検索する。失敗したくないから。自分にピッタリのものを探して無鉄砲にチャレンジするよりも、失敗しないと検証された“中間以上”を選んでしまう。そうしてだんだん自分の感性が退化して、いつしか自分の選択を信じられなくなっていく。自分がどう感じたかよりも他人がどう感じたかが重要になり、選択権を他人にゆだねてしまう現代の僕ら。たった食堂1軒、映画の1本さえ、失敗を恐れ、勇気を出せないでいる。



安全だと誘惑する他人の声に背を向け、自分の声だけに耳をすませた選択は、いわば“孤独の失敗家”の道だ。失敗する可能性もあるが、少なくとも誰かの言いなりとなる他人の人生は歩まずにすむ。大多数が一方向にどっと群がるとき、勇気を出して別の道を選べる人だけが自分の人生を生きられるのだ。

失敗してもいい。失敗したときは後悔すればいいだけだ。きっと、他人の言葉を信じて群れを成した人々も、後悔するのは同じだから。違うかな?

失敗を恐れずに〝孤独の失敗家”になろう。特別なことじゃなくていい。五郎のように食堂を探すことから始めてみたらどうだろうか? “自分だけの人生”は、多くの失敗の上に出来上がるのだから。

(本原稿は、ハ・ワン著、岡崎暢子訳『あやうく一生懸命生きるところだった』からの抜粋です)

ハ・ワン著、岡崎暢子訳『あやうく一生懸命生きるところだった』からの抜粋

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