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ドキュメント 教育革命の最前線から


仕事がテレワークになった、会社がどうなるかわからない、解雇になる可能性もあるなど、大人も日々変化する状況に対して不安やストレスが大きくなっている。大人がしんどい状態では、子どもに対してもそのようなかかわりができなくなっていく。

大人もそうした不安やストレスをできるだけ抱え込まず、夫婦や友人、相談できる相手に電話やインターネットなどを使って気持ちをシェアし合うことを心がけたい。そして、おいしいものを食べたり、散歩などで体を動かしたりするなど、できる範囲で小さな楽しみを見つけていくことも大切だ。

「大人が心配を抱え、イライラしていると、子どもはその状況をすぐに察します。大きくなるほど甘えることをしなくなる。大人が頑張っていると、子どもも頑張ります。大人が我慢していると、子どもも我慢するのです。だから、まず大人が自分を大切にしてほしい。自分を大切にできない人は人を支えることも難しくなってきます。大人にとっても、自分を大切にしてくれる誰かがいることが必要です」

友達との接触が制限されているからこそ、一緒に生活している人との時間が大切になる。一見いつもと変わらず元気そうに過ごしている子どもたちにも、注意が必要だ。そして何より、私たち自身も、頑張りすぎない、我慢しすぎない。夫婦や家族、友人たちとお互いに支え合っていくことが必要なのだろう。

家族の一員として、子どもを頼りにする


これまで、学校や仕事、パートなどでそれぞれ個別の時間を過ごしてきた家族が、1日のほとんどを顔を突き合わせて過ごすことは、私たちにとってこれまでになかった経験かもしれない。3食を一緒に食べ、長時間をともに過ごしていれば、ときにはぶつかることもある。お母さんだけが家事をしていることもあれば、お父さんだけが仕事をしていることもあるし、その逆もある。そんな状況で子どもたちが騒いだり、甘えてきたりすれば、イライラの元になってしまうこともある。

そんななかで思い出すのは、東日本大震災後のときの子どもたちのことだ。筆者が以前、書籍『16歳の語り部』の取材をしていたとき、被災当時小学5年生だった子どもたちは、大人が片付けで大変そうなとき、「子どもはここでじっとしていなさい」と言われ、大人の役に立てなかったことが辛かったと話してくれたことがある。今回も同じような状況が考えられるのではないだろうか。

「例えば、家族や祖父母の具合が悪くなったとき、子どもだからどうせ伝えてもわからないだろうという扱いを受けることがあります。今回のことで言えば、なんだかわからないけど友達と遊んではいけない、なんだかわからないけど学校がずっとお休みになってしまう。子どもたちにとって、この『なんだかわからない』という状態は、漠然とした不安の原因になってしまいます。

どんなに小さなお子さんでも、肌感覚で家族の様子がいつもと違うことはわかります。ある程度年齢が上がれば、家族が大変なときには自分も役に立ちたいと思います。お父さんやお母さんが悲しんだり苦しんだりしているときには、自分も何かしたいという思いは強く持っているのです」

文=太田美由紀

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