ビジネス

2020.04.07

ミッションはあらゆるもの同士を「コネクト」すること

新生企業投資代表取締役社長の松原一平とビットキー共同創業者/代表取締役CEOの江尻祐樹


松原:江尻さんが起業家として優れているのは、「やることの時間軸でのシークエンス(順序)が巧み」なところ。そして、スピード感。創業からわずか1年強で、スマートロックの国内累計販売台数トップに立ち、次の展開も着々と進め、投資家陣など外部の応援団をうまく巻き込みながら、やりきれているところも素晴らしい。

グローバルで通用するメガベンチャーになってほしいですね。実績を積み上げて、大きな絵を描き続けてほしいです。成功する起業家の資質として、事業が思い通りにいかないときにミッションに立ち返り、「どれくらい粘れるか」が重要です。江尻さんら3人はそれができる経営陣だと思います。

江尻:我々の目標は、独自の認証、連携、分散技術によるID連携・認証と権利処理のプラットフォームをつくり、地球上のあらゆるモノやサービスを1つのIDでシームレスにつなぐこと。

グーグルがテキスト検索からスタートし、ライフスタイルやワークスタイルを変えるサービスを次々と展開していったように、我々も「コネクト」をテーマに、さまざまな企業と組みながら連続的に、かつ、多様にサービスを展開していきたい。日本で着実に価値を生んだ後で、グローバルで戦えるスタートアップになれたらと思います。


まつばら・いっぺい◎新生企業投資代表取締役社長。日本長期信用銀行(現新生銀行)にてコーポレートファイナンス、トレーディング業務を担当。2003年より、プライベートエクイティ業務に従事。12年新生企業投資設立と同時に現職に就任。ベンチャー、バイアウト、インパクトの3分野で投資を推進。主な投資先は、TBM、カクテルメイク、Kyash、ALE、justInCaseなど。

えじり・ゆうき◎ビットキー共同創業者/代表取締役CEO。1985年生まれ。リンクアンドモチベーショングループを経て、2009年にワークスアプリケーションズ入社。数億〜数十億円規模の複数のプロジェクト責任者、コンサルタント・サービス組織の統括を経験。18年8月、ビットキーを創業した。同社のコアテクノロジーであるbitkey platformの発明者。

文=山本智之 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN 3月号」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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