経済・社会

2020.04.09 17:00

旅ができる暮らしを取り戻すまで。観光プロデューサーとして今できること

(Getty Images)


「今の状況で感情は贅沢品。この怒りはしっかりと胸にしまって、事態が収まったら政府にぶちまける予定だが、いまはとにかくすべてが足りないと直訴し続けるしかない」
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まさに人が書いた原稿を読んでいるのではないと確信できる、彼個人から発せられた言葉だ。クオモ州知事はさらに続ける。

「この厳しい事態で、人間の本当の顔が出る。ネガティブになる人もいれば、率先して行動する人もいる。私たちの電話はひっきりなしに鳴っています。州内、国内、国外から、援助を差し伸べる人たちからの電話です。厳しい状況で明らかになった人間の核が『善』であったこと。私はここに希望を持たずにいられません」


ニューヨーク州 アンドリュー・クオモ知事(Getty Images)
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そして、以下の言葉で、クオモ州知事のメッセージは終わる。

「この状況が子どもたちに与える影響を考えよう。彼らは、戦争もキューバ危機も経験していない。国を挙げて、世界を挙げての危機を見たことがないのです。ここで私たちは彼らにright lessonを学ばせるために、better angelsの導きで行動しなければいけません」(クオモ州知事のメッセージ翻訳/Makoto Kikuchi)

気持ちや想いの相互交流を


これは、いまの日本人、1人1人にも問いかけたい大切な言葉だ。私たち大人は、子どもたちに対して「ベター・エンジェル」の導きを示すことができているだろうか?

明るい未来の光を消さないように、命を守り、来たる明日に、旅に出られる「暮らし」を取り戻すために。

世界各国で暮らす私の日本人の友人や知人たちは、各々、危機の真っただなかにいながらも、自分たちの故郷である「日本」の状況を心配しながら、私にさまざまな世界の情報を送ってくれる。私からも、日本の情報を冷静に発信したいと思う。地域のあり方を見つめながら、いまは、世界と自分たちの地域の情報を、正しく相互交流(IN & OUT Bound)させることが大切なのだ。

実際に人々が交流することができるツーリズムは、まだまだ先になるだろうけど、人々の気持ちや、想いや、願い、行動、情報を、ネットを通じて正しく相互交流させることは、いまこそすべきことであろう。それもまた、インバウンドそして、「光」を伝える観光プロデューサーとしての大切な仕事でもあるはずだから。

連載 : Enjoy the GAP! -日本を世界に伝える旅
過去記事はこちら>>

文=古田菜穂子

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