ビジネス

2020.04.06

LINEで気軽に専門家へ相談──ファミワンが目指す「妊娠と向き合うため」の妊活

(左)ファミワン 代表取締役の石川勇介 (右)ファミワン 代表看護師の西岡有可


夫婦・カップルに最適な不妊治療を提案できるように


石川がfamioneの最適解にたどり着きそうなタイミングで、友人の紹介でひとりの女性に出会う。それが不妊症看護認定看護師の西岡有可だった。

当時、彼女は都内の有名な不妊治療のクリニックで働いていたが、石川と話をしてみると目指す世界観が一致。意気投合し、フルコミットでファミワンの代表看護師として参画することを決めた。

「不妊治療は自由診療なので、費用がとにかく高い。その額面も点数で決まるわけではなく、クリニックごとに設定しているものです。また、あまり一般的には知られていませんが不妊治療には医師による見解が異なる場合があり、どのクリニックでも同じ治療が受けられるわけではありません。

そのため、夫婦・カップルそれぞれに適したクリニックがあります。しかし、クリニックにも経営があるので、患者さんが妊娠しにくい状況であってもなかなか手放せないのが現実です。治療の方法が適していない可能性を知りつつ、立場的に本質的な提案をすることができない。果たして、それは患者のためなのか。クリニックで働く中で、そんなことを思うようになっていきました。


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患者さんに妊娠してほしくて、患者さんも妊娠したくて、不妊治療に真剣に取り組んでいるのに、ベストな治療法を提案できない。そんな状況にすごくモヤモヤしていて。であれば、クリニックではない別の機関で、公平な立場でその夫婦・カップルにあったものを提案できる立場でありたい、と思ったタイミングで石川に出会ったんです」(西岡)

石川の構想に西岡も賛同。細かな微調整を重ねていき、2018年6月にLINEを活用した妊活コンシェルジュサービス「famione」をリリースした。famioneは基本的に無料で利用できるが、有料プランに申し込めば専門家への回数無制限の質問や電話相談が利用可能になる。

あらゆる過程をLINE上でサポート


同サービスの特徴は、不妊症看護認定看護師や臨床心理士、培養士、不妊経験者でもあるNPO法人Fine認定ピアカウンセラーなど約30人がチームとなり、それぞれのライフスタイルや妊活状況に合わせて、クリニック選びや治療中までのあらゆる過程をLINE上でサポートしてくれる点にある。


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文=新國翔大 写真=小田駿一

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