ビジネス

2020.04.06

小売業界の革命児、「b8ta」が日本に上陸する理由

b8ta Japanカントリーマネージャーの北川卓司


東京への出店は明確な選択肢だった


──創業から5年が経ったタイミングで、なぜ日本参入になったのでしょうか?

パロアルトの旗艦店から始まり、さまざまな場所に店舗をオープンすることで、b8taの注目度は高まっていきました。その過程でファウンダーたちは海外展開も考えていたようで、まずはパートナー企業の協力もあり、ドバイに店舗をオープンしました。その次に日本に展開を決めた理由は、日本からアメリカの店舗に足を運ぶ人が多かったことが理由のひとつです。

実際、創業者は「2015年に初出店して以来、日本から本当に多くのお客様がb8taを訪れてくださいました。海外進出を検討するにあたり、トレンドに敏感な消費者の多い東京への出店は明確な選択肢だった」と述べています。

そうした選択肢を持っている中で、日本の市場を調べていくと、出資いただける企業も集まりはじめ、このタイミングでの日本進出が実現しました。

──ちなみに北川さんはどのような経緯で、b8ta Japanのカントリーマネージャーになられたのでしょうか?

前職はダイソンのリテールマネージャーとして、世界初の旗艦店を表参道にオープンした後、東京統括部長として働いていました。約5年ほど働き、小売業界がオンラインにシフトしていったり、実店舗だけでやっていくのが難しくなっていったり過渡期にある中で、b8taのビジネスは画期的だな、と思ったんです。

それでb8taに興味を持ち、創業者と共通の友人を介して、日本進出が決まった際に正式に声をかけてもらい、b8taへの参画を決めました。

商品・サービスとの出会いを創出し、日本を元気に



有楽町にオープン予定のb8taの店舗イメージ

──日本の店舗はどのように運営していく予定でしょうか?

b8taはさまざまな地域で店舗を展開していて、店舗ごとにその地域におけるイノベーティブな商品は基本的におさえるようにしています。日本も同じようにできればと思っていますが、b8ta自体も5年やっていく過程で、ガジェット系だけでなく幅広い商品を展示するようになっていて、店舗のコンセプトも発見と体験にシフトしてます。ファッション、コスメ、飲料・食品(店頭では試飲・試食のみ)、アプリ、サブスクリプションサービスなども出品いただけます。日本は間口を狭めず、伝統工芸も含めて、いろんなものに触れていただきたいと思っています。

また、アメリカのb8taでは経営者やエンジニアが直接来て、消費者と話す機会もあるので、日本も同様のイベントをやっていけたら、と考えているところです。そのほか、アメリカで提供しているECサイトも、日本でも今後展開したいと考えておりこちらは店舗と違い出品費用がないので、売上の数%をマージンでもらうスキームを想定しています。
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文=新國翔大 人物写真=小田駿一

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