編集部の「推し本」 今こそ読んでほしい9冊

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「女ざかり」 丸谷才一 (文春文庫)



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歴史的仮名遣いながら日本語が本当に美しく、声に出して読みたくなります。主人公の大新聞社論説委員の南弓子記者をはじめ、登場人物が皆魅力的で生き生きとしています。いま、私たちの日常にこの余裕が欲しいのです。

タイトルの「女ざかり」は決してウエットな女々しさでなく、権力者揃いの男性たちの間で立ち回る主人公のクールで痛快な佇まいを象徴しているように思います。新聞記者を志した頃からの15年来のバイブルです。ああ取材に出たい!(ウェブ編集部 林亜季 @akihayashiiiii

TRANSIT37号「アイスランド 地球の神秘を探して」 (講談社)



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ビョークに会いたくて、一昨年の夏に夫とふたりでアイスランドへ。そんな単純な理由で踏み入れたが最後、道を歩けば地球の神秘を感じるこの場所の虜になってしまいました。自然の美しさはもちろんですが、触れ合う現地の方々から感じる余裕さと朗らかさ。とても不思議な感覚。

今は旅行には行かれないけれど、気持ちだけでも広大な自然に触れてみてはいかがでしょうか。アイスランド人の国民性にも触れられて、気分転換になるはずです。(ウェブ編集部 千野あきこ @elleaki1990

「ピューッと吹くジャガー」うすた京介 (集英社)



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気づいたときには私のバイブルとなっていました。学校の友だちとうまくいかず、休み時間を一人で乗り切ったときも、塾をサボって公園で一人過ごしたときも、ジャガーさんは私のそばにいてくれました。

新型コロナによる外出自粛にイライラムシャクシャした夜、「そうだ、笛をふけばいいんだ!」とタンスの奥からリコーダーをひっぱりだし一心不乱に『聖者の行進』を吹いて乗り切りました。うすた先生の「セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん」も合わせておすすめです。(ウェブ編集部 千野あきこ @elleaki1990

「鳩の撃退法」佐藤正午(小学館文庫)



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上下2巻の長編小説ですが、著者の語り口が絶妙で、いつの間にかニセ札をめぐる運命の物語に引き込まれていきます。一度、読み出したら、最後まで貪り読んでしまう。著者自ら自身の最高傑作と語る作品。(本誌、ウェブ編集部 稲垣伸寿)

「1122」 渡辺ペコ (モーニング)



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新型コロナの影響で、自宅で家族で過ごす人も多い昨今、改めて「夫婦」や「パートナー」の関係性を問い直す人も多いだろう。この漫画は、結婚7年目、仲良しだけどセックスレスの夫婦が「公認不倫」をやってみるという話。

相手とのつながりをどこに求めるのか。2人の関係性を追求するなかで、深く自分を見つめ直すきっかけになる物語。(ウェブ編集部 井戸亜梨沙 @ArisaYesIDO

編集=千野あきこ

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