公衆トイレで感染を防ぐために守るべき手順、専門家が指摘

Photo by Carol Coelho/Getty Images

新型コロナウイルスの感染症は、感染者の糞便を経由して広がる場合もあることが知られている。ウイルスが、霧のように空気中を漂う「エアロゾル」と呼ばれる状態になり、数時間も生き続ける場合があるのだ。

感染拡大が続くなか、外出時に公衆トイレを利用する場合は、十分気をつける必要がある。専門家によると、トイレの水を流す際は、便器のフタを閉めてから流すべきだという。狭いトイレの空間では、ウイルスを含んだ排泄物からトイレット・プルームと呼ばれる汚染物質の煙が立ち上る場合があるからだ。

パデュー大学の研究者のQingyan Chenはフォーブスの取材に「ウイルスのプルームから身を守るためには、トイレのフタを閉めて水を流すのが一番だ」と話した。この方法で糞便から立ち上る粒子の80%を、便器のなかにおさえこむことが可能だという。

さらに、公衆トイレを利用する際は、前の利用者が個室を出てから1、2分程度待つべきだとChenは話した。また、ドアのノブやレバーなどに直接触れることを避けるため、ゴム手袋を着用したり、ペーパータオルを用いることもも有効だという。もちろん、トイレを済ませたら石けんなどで十分に手を洗うことを心がけたい。

新型コロナウイルスに感染している家族や友人と同じトイレを利用する場合は、常にアルコール入りの消毒液で、便座やドアノブなどを消毒することが必要だと、Chenは述べた。

香港城市大学の研究によると、トイレの水を流す際には1回あたり最大80万個に及ぶウイルスを含む飛沫が空気中に吹き上がるという。

同大学のAlvin Laiは「トイレのフタを閉めてから水を流すことは感染を防止する上で非常に重要だ。ただし、それと同時にトイレの床や便器を常に漂白剤などで清潔に保ち、換気を行い、使用後は必ずドアを閉めておくことを心がけたい」と話した。

パデュー大学のChenは、建物の空調を通じたウイルスの拡散を研究しており、病原体の拡散を防ぐ空調システムを開発しようとしている。

編集=上田裕資

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