コロナショックによる収入減、持家がある米国人のサバイバル方法

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新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済の混乱により、アメリカの失業率は最悪のケースで20%にまで達するとの見方も報じられている。このような状況のもとでは、将来的にキャッシュフローの問題に直面するアメリカ国民が急増するおそれがある。

幸い、持家がある人の場合は、こうした苦境の克服に利用できる手段がいくつかある。例えば一部の州(および銀行)では、一定の基準を満たした住宅所有者に対して、住宅ローンの返済を一定期間猶予する措置を開始している。これにより、今後数か月は、住宅ローン返済分の数千ドルが、ローン契約者の手元に残ることになる。

加えて、連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)、米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)および米連邦住宅局(FHA)が保証する住宅ローンについては、少なくとも60日間、差し押さえが停止される。

ホーム・エクイティ・ローン(HEL)や、クレジットライン型のHEL(HELOC)、ローンの借り換えなども、住宅所有者のキャッシュフロー改善に役立つ。さらに、市場金利は歴史的な低水準にあるため、これらの手段を使うことで住宅ローンの返済額を減らすことも可能になるだろう。

また、必要に応じて住宅資産をキャッシュフローに転換する手段としては、住宅資産の一部売却、リースバック、ローン条件緩和といったさまざまな方法がある。これらの手段を使えば、住宅所有者は、住宅資産の一部や将来的な評価額の一部の売却、さらには、資産をすべて現金化した上で、その家を借家として借りて住み続けるといったことが可能になる。

新型コロナウイルスの感染拡大が悪化の一途をたどるなか、さまざまな請求書の支払いに不安を抱えてはいないだろうか? 持家がある場合に利用可能な選択肢を、以下に4つ紹介しよう:

ホーム・エクイティ・ローン(HEL)およびHELOC


住宅所有者が自らの住宅資産を利用する一般的な方法として、ホーム・エクイティ・ローン(HEL)やクレジットライン型のHEL(HELOC)がある。どちらの方法も、経済的に苦しい時期には役に立つが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が続く現状では、この2つの中ではHELOCのほうが良い選択肢だろう。

HELは第2抵当となるため、毎月の返済が必要になる。一方、HELOCは、クレジットカードのような仕組みだ。住宅所有者は、必要に応じて融資枠から資金を借り入れることができるうえ、元本の返済が始まる時期もかなり先に設定されている(最も一般的なケースでは10年だ)。また、ローン創出(オリジネーション)手数料も、HELよりHELOCのほうが安い。
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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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