コロナショックによる収入減、持家がある米国人のサバイバル方法

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借り換え


宅所有者がキャッシュフローを創出する手段としては、借り換えも良い方法と言える。特に、現在のような低金利の状況ではお勧めできると話すのは、住宅ローン融資会社、ザ・ルース・チーム(The Rueth Team)の融資部門で責任者を務めるニコール・ルース(Nicole Rueth)だ。

現在のボラティリティ(が高い)状況はそれほど長くは続かないと見ているが、その余波が12〜18か月間は続くおそれがある」とルースは指摘する。「だが、住宅ローン金利は現在、歴史的に低い水準にあるため、住宅所有者は、過去8年間に蓄積された多額の純資産(時価からローンの額を引いたもの)をよりどころに、いくつかの借り換えの選択肢を検討できるはずだ」

今の状況において、住宅所有者にメリットをもたらす借り換えには2つの種類がある。1つは、借入金利を下げ、月々の支払額を抑えることで、自由に使えるお金を増やすものだ。これは、レート&ターム(金利と条件)型借り換えと呼ばれる。

もう1つは、キャッシュアウト(換金)型の借り換えで、現在の住宅ローンを、そっくり新しいローンで置き換えるものだ。その際、新しいローン残高は、元の残高を上回るようにする。その差額を、住宅所有者が現金で受け取る仕組みだ。

住宅資産および評価額の一部売却


経済的に苦しい住宅所有者が利用可能なもう1つの選択肢として、自宅の資産額、あるいは最終的な評価額を一部売却するという方法がある。簡単に言えばこれは、自宅を売る際、あるいは自宅の価値が上昇した際に、所有者が手にする利益の一部を、投資家に分け与えるという契約だ。

この方法に関しては、ハウス(Haus)、ユニゾン(Unison)、パッチホームズ(Patch Homes)、ホームタップ(Hometap)、ポイント(Point)など、手続きが簡単なツールが数多く出回っている。

リースバック


最後に紹介するのは、リースバックの手法だ。これは、住宅所有者が持家を完全に売却し、売却金を現金で手にした上で、売却先の投資家からその家を借りて住み続けるものだ。

リースバックのプラットフォームであるイージーノック(EasyKnock)では、住宅所有者が自らの住宅資産を現金化したあと、その家に住み続け、さらに後日、その不動産を買い戻す権利を保持するというスキームを用意している。また、レントバック(RentBack)も同様の仕組みを提供している。

イージーノックの最高経営責任者(CEO)ジャレッド・ケスラー(Jarred Kessler)によれば、住宅所有者は、早いケースでは手続き開始からほんの数日で、住宅資産の売却金を手にできるという。さらに、新型コロナウイルス感染症の急激な感染拡大が続く状況を受けて、同社では、リースバックの初年度について、家を売却した家主が払う家賃を、1000ドル分減免する措置をとっているとのことだ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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