テスラは現在、主力工場を閉鎖しており、感染拡大による需要の縮小が予想されるなか、第2四半期の業績はさらに落ち込むことになりそうだ。
2020年1月から3月のテスラのグローバルの納車台数は8万8400台だった。この数値は前年同期比で40%の上昇で、市場予測の8万台を上回った。製造台数は10万2672台で、前年同期の7万7100台から大きく上昇した。
しかし、2019年第4四半期と比較すると数字は落ち込んでいる。テスラは今年1月に上海ギガファクトリーでの製造を開始したが、納車台数は前四半期との比較で21%減少しており、生産台数は2.1%のマイナスとなった。
それでもなお、前年同期比の数値が予想を上回ったことは投資家に好感され、テスラの株価は4月2日の時間外取引で15%以上の上昇となった。
テスラは2020年の年初から上海工場での製造を開始し、モデルYの生産も前倒しで進めてきた。同社の株価は急上昇を遂げ、時価総額は2月19日に1688億ドル(約18兆円)にまで膨らんだ。しかし、これらは全て新型コロナウイルスの感染拡大が米国に到達するまでの出来事だった。
テスラがカリフォルニア州フリーモントに構える主力工場の生産は、現在停止している。
「上海工場での生産は現在も継続中であり、不利な状況下においても記録的な台数を生産している」と、テスラは声明で述べたが、詳細は開示していない。上海工場は1月7日に正式オープンした後、1月の下旬から政府の要請を受けて生産を停止していた。
稼働再開がいつだったのかは不明だが、マスクは3月19日のツイートで「上海でのオペレーションは通常の状態にある」と述べていた。
テスラは4月22日に決算発表を予定しているが、2日の時点では収益の詳細や今後のガイダンスを開示しなかった。
同社が今回明かした数値は市場予測を上回るものではあったが、今後はテスラを含む多くの自動車メーカーが厳しい状況に直面することになると、BernsteinのアナリストのToni Sacconaghi, Jrは述べた。
テスラの今回の発表に先立ち、Sacconaghiは顧客向け資料で、「今年のQ2及びQ3の経済環境は、2008年の金融危機の頃と同レベルにまで悪化する」と述べていた。
「先進国における自動車売上は、2007年から2009年にかけて20%以上の落ち込みになり、完全な回復には10年近くを要した。その他の景気後退の局面において、回復に要する時間は3〜5年だった」
テスラの直近の四半期の納車台数は、モデル3及びモデルYが7万6200万台、モデルSとXが1万2200台だった。ハイグレード版的な位置づけのモデルSやXの販売価格は10万ドル以上となっている。