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ビーガン(動物由来の食品を一切口にしない完全菜食主義者)運動が、一目置かれる実質的な影響力となりつつあることは間違いない。英国では2014年から、1月は人々にビーガンになるよう促す「ビーガニュアリー」とされ、参加者は毎年倍以上に増加。今年は初めて、「ビーガニュアリー」のグーグル検索件数が、禁酒月間の「ドライ・ジャニュアリー」を上回った。

健康面だけでなく、環境や動物福祉を理由として菜食主義を選ぶ人は増えている。英国のビーガン人口は現在、350万人以上と推定されている。全人口の中ではまだ少ないが、このほかにも「ミートレス・マンデー(肉なしの月曜日)」の習慣がある家庭を加えれば、多くの消費者が日々の生活の中で植物由来の食品を求めていることが分かる。

一方の米国では、ビーガニズムは英国ほど一般的ではなく、2018年のビーガン人口は約3%とされている。とはいえ、米国でも健康的な食習慣と環境意識の改善に向けた動きがあることには間違いない。

ビーガニズムは今、大きなビジネスとなりつつある。最も分かりやすい成功例は、英国のベーカリーチェーン、グレッグス(Greggs)だ。同社はフランチャイズではないものの、自社が所有するパン店を英国全土で展開している。2019年には、革新的な新商品「ビーガンソーセージロール」を発売し、大きな話題を呼んだ。

このソーセージロールは瞬く間に店頭から消え、グレッグスの経営陣は今年1月、2019年はこの新商品によって「素晴らしい年となった」として、約2万5000人の従業員に計700万ポンド(約9億3000万円)の一時金を給付すると発表した。

ビーガニズムへの関心の高まりとその商業的ポテンシャルの認知に伴い、2019年はビーガン関連のフランチャイズが大きく成長した。

この流れに乗った著名人の一人が、フォーミュラ1のスタードライバーであるルイス・ハミルトンだ。ハミルトンはホスピタリティー企業のザ・クリーム・グループ(The Cream Group)や植物由来肉を販売するビヨンド・ミート(Beyond Meat)の投資家トマゾ・キアブラと組み、2019年秋にニート・バーガー(Neat Burger)のチェーン展開を始めた。初店舗はロンドンにオープンし、今後はフランチャイズを通して2年以内に欧州や米国、中東の14カ所に進出する計画だ。

編集=遠藤宗生

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