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起業家たちの「頭の中」

トレジャーデータ 芳川裕誠

多種大量なデータを即時に収集・分析するクラウドベースのデータ管理基盤を構築し、300社以上のデータマネジメントをサポートしてきたトレジャーデータ。同社を2011年にシリコンバレーで創業した元CEO 芳川裕誠氏に、アメリカと日本のスタートアップの違い、SaaS型ビジネスの成功法などについて聞いた。

※本記事は2019年4月に掲載したインタビュー記事に加筆・修正を加えております。

英Arm社・買収の舞台裏


──貴社は2018年7月にソフトバンクグループ傘下で半導体設計やIoTを手がける英Arm社に買収されました。この狙いと、貴社の今後のチャレンジについて教えていただけますでしょうか。

過去10年のいわゆる「ビックデータ」と言われるものは、ほとんどが「人」に由来するモバイルやWeb、行動ログなどの「カスタマーデータプラットフォーム(CDP)」のデータです。

AmazonやGoogle、Netflixといった世界的プレーヤーたちは、「人」由来のビッグデータを基盤にビジネスを拡大させています。

しかし、これからの10年・20年を見据えると、データ源は「デバイス」、つまり車、建物といったものへと変化していきます。IoTの進化によって、スマートグリッドやスマートメーターといった「デバイスデータプラットフォーム(DDP)」が生まれていくのです。

つまり「ビックデータ」のパラダイムシフトが起こりつつあるタイミングであり、私たちはこれを大きなビジネスチャンスと捉えています。具体的にいうと、「人」由来のデータに「デバイス」由来のデータを掛け合わせて分析できるようなったとき、新しい巨大産業が生まれると思っているのです。

例えばわかりやすい事例を挙げると、車の保険業界では「車の運転データ」をスコアリングすることで保険料の査定をするサービスが出てきています。

そういったビジネスチャンスがあらゆる分野で生まれる未来を見据えていた時期に、タイミングよく「2035年に1兆個の『デバイス』からデータを集める」という壮大なビジョンを掲げるArm社から買収のお話をいただきました。

もともと会社を売る気は全くなかったのですが、スマホのCPUなど、半導体のリーディングカンパニーであるArm社と今一緒になることができれば、「デバイスデータプラットフォーム(DDP)」構築に向けて一気に駆け上がることができる、と感じました。

これが私たちがArm社に参画を決めた一番大きな理由です。

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文=山崎満久 提供元=Venture Navi powered by ドリームインキュベータ

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