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2020.04.10 19:00

グーグル副社長からヤフーCEOへ マリッサ・メイヤーの華麗なキャリアの変遷

マリッサ・メイヤー

マリッサ・メイヤー

ヤフー元CEO、グーグル元副社長のマリッサ・メイヤー。彼女のキャリアはスタンフォード大学を卒業後、まだ20人程度の規模だったグーグルに入社したことから始まった。彼女の生い立ちから、現在に至るまでの軌跡を辿る。

マリッサ・メイヤーの生い立ち


メイヤーは1975年、アメリカ・ウィスコンシン州で生まれた。93年に高校を卒業し、スタンフォード大学に入学。人工知能を専門分野とし、シンボリックシステムの学士号と計算機科学の修士号を取得した。そして、99年に従業員数20人程度の規模だったグーグルに、初めての女性エンジニアとして入社した。


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グーグルでの活躍


グーグルに入社したメイヤーは、共に働く人たちの優秀さや大学のような自由なカルチャーに魅了され、連日深夜まで熱心に働くようになった。ところが、充実感を感じていたメイヤーにある出来事が起こる。

数週間かけて作ったシステムよりも質のいいものを、「DEC」から引き抜かれて入社したジェフ・ディーンが短期間で完成させたのだ。ディーンは世界的に優秀なプログラマーとして知られる。

強力なライバルの出現から、メイヤーはより飛躍的な活躍を見せた。自らの役割を考え直したメイヤーは、人事やマーケティング、プロダクトを改良していくなど、グーグルとしての成長を優先した。

グーグル検索の結果表示に使うフォントや、グーグルが提供する数多くのサービスのユーザーインターフェイス(UI)の改善で力を発揮し、リーダー的存在になったメイヤーは、2003年にUIチームの責任者に指名された。

グーグルの検索結果やニュースなどに表示される各ページのデザインを、ピクセル単位でチェックするなど熱心に取り組み、グーグルでの重要な役割を果たしていった。ウェブ検索やグーグルニュース、Gmail、グーグルマップ、グーグルアースなど、彼女が関わったプロダクトの一覧を見れば、いかに彼女の功績が大きかったかがわかる。

入社からわずか6年、05年にグーグルの副社長に就任。08年にはフォーチュン誌の「50 Most Powerful Women」に最年少で選出、09年に検索事業に関する仕事への貢献が評価され、イリノイ工科大学から名誉博士号を授与されるなど、社会的にも評価を高めていった。

ヤフーにCEOにとして電撃移籍


グーグルの発展に多大な貢献を果たしたメイヤーは、12年7月にヤフーのCEOに就任した。検索分野でライバルだったグーグルからの電撃移籍に、多くの人が衝撃を受けた。さらに、彼女が就任直後に妊娠していることを公表。メイヤーは同年9月に男児を、15年12月には双子の女児を出産した。

ヤフーの立て直しに取り組んだメイヤーは、新興企業の買収や、在宅勤務を取り入れていた従業員をオフィス勤務に変える方針を示すなど、様々な施策に取り組んだ。しかし、検索事業のシェアはグーグルに奪われ、オークションは「イーベイ」に劣勢を強いられるなど、ヤフーの立て直しは困難を極めた。

社内外からの批判も高まるなか、17年1月にヤフーの中核事業を「ベライゾン」に売却する契約が正式に結ばれ、メイヤーはCEOを退任することになる。退職金として2300万ドルを受け取ることが明らかになったが、ボーナスについては辞退した。

マリッサ・メイヤーの現在


17年3月にヤフーのCEOを退任、同年7月に退社したメイヤーは18年に「LUMI LABS」を創業した。AI関連の事業を行うようだが、現在のところ目立った動きは見せておらず、製品も開発中のようだ。

同社のウェブサイトには12人のメンバーと共にメイヤーの姿があり、エンジニアやデザイナーを活発に採用している様子が見てとれる。テック界のスターであるメイヤーが今後、どのような見せるのが注目が集まる。

文=谷村光二 写真=gettyimages

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