サンプルサイズがきわめて小さいため、この実験結果が最終結論であるとは言えないし、誰にでも当てはまると言うことはできない。しかし、不眠症を解消するためには外に出てしっかり太陽を浴びるだけでよい可能性がある、という発見は魅力的だ。
スマートフォンやタブレットなどが発するブルーライトがメラトニン生成を抑制することについては、近年かなりの議論が交わされている。メラトニンは、人の身体をリラックスさせ睡眠へと身体を整える化学物質だ。
この問題を踏まえて、アップルさえもiPhoneの新しいモデルにはナイトシフト・モードを導入した。ブルーライトを抑え、睡眠を阻害する問題を低減するための機能だ。
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その他の研究でも、ブルーライトは睡眠サイクルへのダメージだけでなく、集中力の持続時間や記憶機能にも悪影響を与えることが明らかになっている。現代人のほぼ全員に、就寝前にスマホをいじる癖があるので、この問題は世界中で数百万人におよんでいるといえる。
サンプルサイズを広げて多様な条件を用いた実験も近々実施される予定だが、それまでひとまず、昼間にある程度の時間を屋外で過ごさなかった日は、就寝前のネットフリックスをお預けにしたほうがいいかもしれない。