「局アナ」の枠を超えて活躍を続ける、弘中綾香の仕事論

テレビ朝日の弘中綾香

「女子アナ」という既存の枠に、とらわれたくない──。

テレビ朝日の弘中綾香は「新たな時代のアナウンサー像」を切り拓く存在だ。主にバラエティー番組で活躍し、レギュラー出演する番組『激レアさんを連れてきた。』では、マイペースな進行と歯に衣着せぬ発言が人気を博している。

活躍の幅は、テレビだけにとどまらない。人気女性ファッション誌『CanCam』(集英社)や『with』では特集が組まれるほか、2019年はニッポン放送の『弘中綾香のオールナイトニッポン0(ZERO)』でラジオに進出し、2020年に入ってからもNHKの「新春TV放談2020」にも出演している。

インスタグラム公式アカウントのフォロワー数は69万人を超え(4月2日現在)、2019年12月にORICON NEWSが発表した「第16回 好きな女性アナウンサーランキング」で初めて1位に輝くなど、いわゆる「局アナ」の枠を超えた活躍ぶりとなっている。

しかし、弘中アナは「もともとアナウンサーになるつもりはなかった」という。倍率1000倍とも言われる超難関のアナウンサー試験を、アナウンサー志望でないにも関わらず突破してしまったからこそ、「弘中を選んで良かったと思えるような仕事を」という思いは人一倍強い。

バラエティーでは等身大でありながら、「夢は革命家」とも公言する弘中。固定観念にとらわれない思考と、仕事観について語ってもらった。

開き直りで、仕事へのスタンスが変わる


もともとテレビ局や出版社に入りたくて就職活動をしていて、アナウンサー職を受ける気はありませんでした。総合職募集と一緒に受けられるので受けてみたら、受かってしまった。まさかでしたね。合格するとは予想もしていなかったんです。

みなさんが思い描くアナウンサー像というのは、小さい頃からアナウンサーを目指して、アナウンサーになるための塾に通って、努力して合格する。そんなプロセスを想像されるかもしれませんが、私は違います。

偶然、アナウンサー試験に合格し、入社したけれど会社から必要とされている以上、絶対に期待に応えたい。私をアナウンサーとして採用してくれたテレビ朝日にとって重要な存在になりたい、とずっと思ってました。



そんな中、初めて携わらせてもらえた番組がミュージックステーションでした。ミュージックステーションは、すごくたくさんの制作スタッフや美術スタッフさんが関わっています。そんな大きいチームの一員として、この番組に自分はどうやって関わっていけるか。自分の役割について深く考えるきっかけになりました。

半人前の状態で、メインMCのタモリさんの横に座っていたので、当時は自信もありませんでした。ただ、「ここに座れるのは私だけなんだ」という、プライドといいますか……。
次ページ > 「かいた汗」は認められる

文=東春樹 写真=小田駿一 リタッチ=上住真司 衣装クレジット:ドレス(EPOCA) リング(Pandora) ピアス(Jouete)

タグ:

連載

才能の見つけ方

ForbesBrandVoice

人気記事