キャリア・教育

2020.04.03 08:00

「局アナ」の枠を超えて活躍を続ける、弘中綾香の仕事論


好きなアナウンサーランキング1位になりましたが、あまり(世間から)共感を得られていると思っていません。そもそも、1位という結果にも、あまりピンと来ていないです。

そのランキングも、別に信憑性もないですし、一喜一憂しても仕方がない。1位と言われても「そうなんだ」という感じですし、圏外って言われても「そうなんだ」という感じです。

仕事上、「アナウンサー弘中綾香」という名前や評判が一人歩きしてしまうことはあります。ここ1、2年は特に「知らないところで色々言われてるな」と思うことも増えました。

仕事は常に全力で頑張りたいと思っていますが、仕事が全てじゃないし、仕事での評価が私の価値を決めてるわけじゃない。アナウンサーとしての自分と、本当の自分自身は気持ちとして切り離さないといけないのかもしれませんね。

それでも、今は少しずつキャリアと年次を重ねて、画面の向こうにいる人のことを考えられるようになりました。観てくださる人が私と同じくらいの年代になって、こういうことに気づいてくれたらいいなと思って、番組などでも話すようにしています。

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カテゴライズされたくない


今後は、「形に残るもの」をつくってみたい思いがあります。私は今、テレビ番組に出演することを仕事としていますが、一般的なテレビ番組は日々流れていってしまう、フロー型のコンテンツ。そうではなくて、自分が作ったものとか、発言したことを、形に残したい。

テレビやマスコミなど、何かを作れる会社に入った以上、そこにはずっと加わっていたい。そしてそれを残していきたいと考えています。

「将来、フリーになるんですか?」という質問は、飽きるほど聞かれました。特にフリーになりたい気持ちはありません。フリーになって何ができるかと考えたとき、私のやりたいことができるわけではないな、と思います。

私は誰もしたことがないことをしてみたい。既存の枠に囚われたくないとか、カテゴライズされたくないという思いがあります。

テレビ朝日のアナウンサーでありながら、ラジオをやらせていただいたり、NHKに出させていただいたり。一歩ずつ前進していると思います。

誰かがやらないと、誰もできないですからね。そういう意味でも、自分が先頭に立って走り続けていこうと思います。

文=東春樹 写真=小田駿一 リタッチ=上住真司 衣装クレジット:ドレス(EPOCA) リング(Pandora) ピアス(Jouete)

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