アップルストア閉鎖で「iPhone修理難民」が世界で急増中

Photo by Jörg Schüler/Getty Images

iPhoneの画面を破損した場合や、何らかの不具合に直面した際に、修理にかかる時間は以前よりも大幅に伸びているとの報告が相次いでいる。

通常であれば、iPhoneの修理にはさほどの時間はかからない。アップルストアでは持ち込み修理の予約を受け付けており、配送修理の依頼も可能だ。そして、多くの場合は迅速にパーツの交換を受けられる。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてアップルストアが閉鎖された今、掲示板のredditなどでは、修理に4週間も待たされたという声や、パーツの供給が遅延しているとの報告が相次いでいる。

感染拡大によってサプライチェーンがダメージを受けたため、パーツの在庫数は減少している。さらに、アップルストアや正規のリペアショップの多くも営業を停止している。iPhoneの不具合に見舞われたユーザーは、非常に不便な状況に陥ることを覚悟しなければならない。

世界の多くの都市で外出がままならない状況が続くなか、人々のテクノロジーへの依存度は以前よりも高まっている。FaceTimeによるチャットから、Zoomによるビデオ会議、ストリーミングによるコンテンツ消費など、スマホが活躍する場面は多い。

さらに、政府や医療機関の情報を入手する上で、iPhoneを唯一のツールとしている人々も多い。しかし、そのようなユーザーが故障などのトラブルに直面した場合、非常な不便を強いられることになる。

筆者としては、このような状況下では、アップルはサードパーティの修理業者に権限を開放し、人々のつながりを維持すべきではないかと考えている。画面の破損のみがiPhoneのトラブルではない。適切な知識を持つ人であれば、ボタンの接触不良やチップの不具合などを、別の端末のパーツを用いて修理することも可能だ。

困難な状況のなかで、人々が助け合うことの重要性は増している。ウイルスとの戦いにおいても重要なのは、適切な人々の手に適切なツールを与えていくことだ。

そのような事情を考慮に入れた上で、アップルは従来の囲い込み的アプローチを一時的に停止させ、外部の修理業者らに情報の開示を行うべきだと筆者は考えている。

編集=上田裕資

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