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Photo by Hollie Adams/Getty Images

応急処置訓練を受けた客室乗務員が、新型コロナウイルスとの闘いの最前線を支援するべく派遣されている。

英国では、国民保健サービス(NHS)の要請により、ヴァージン・アトランティックとイージージェットの航空会社2社の客室乗務員が、ロンドンのエクセル展覧会センター(ExCel Centre)にある4000床の仮設病院「ナイチンゲール病院」の医療スタッフを補佐している。マンチェスターやバーミンガムでは仮設病院がさらに建設される予定で、一時的に仕事を失っている客室乗務員は特別なトレーニングを受けた上で医療スタッフ支援に当たる。

世界の航空会社の多くが定期便の90%以上の運航を停止する中、この取り組みは逆境の中での適応力を示す素晴らしい例だ。ヴァージン・アトランティックとイージージェットはどちらも英国政府の支援を要請しており、病院で働く客室乗務員の給料は航空会社により引き続き支払われる。

客室乗務員は、応急処置の実施や乗客の安全確保など、さまざまな状況に対応できるようしっかりと訓練されている。航空便の運航停止により数十万人の従業員が働けない状況が今後数カ月続く可能性があり、深刻化する病院での人員不足に対応する上で大きな力となる。

客室乗務員は、頭の回転の速さやプロ精神が必要なシナリオに対して、しっかりとした訓練を受け、適応力を備えている。客室乗務員を病院で活用するという独創的な発想は、労働力の余剰を活用する方法として、一時的ながらも至極まっとうなものだ。

もちろん、前線に立つことで生まれる危険性を考えると、職務転向は必ず自発的なものであるべきだ。しかし私の経験から言うと、客室乗務員は目の前の逆境に対して真っ先に手を上げ、立ち上がるような人たちだ。

客室乗務員が最も優先するのは、乗客の安全確保だ。食事や飲み物の提供は付随的な業務でしかない。客室乗務員は、乗客の安全を守るよう厳しく訓練されている。

先行きが不透明な現在の状況では、訓練を積んだレジャー業界の労働者が一時解雇中もスキルを生かせる独創的な解決策を見つけるべく、官民の協力をこれまでになく強化する必要がある。

イージージェットには心肺機能蘇生(CPR)の訓練を受けた客室乗務員が約4000人おり、同社は従業員に対し英国のNHSを支援するよう要請。ヴァージン・アトランティックも同様の呼び掛けをしている。

オーストラリア医療病院協会(AHHA)のアリソン・バーホーベン会長も、航空会社により一時解雇された客室乗務員は短期の再訓練で医療スタッフを支援できるようになると述べている。

米国内線には今のところ、欧州ほど大規模な混乱は起きていない。ジェットブルー航空やアラスカ航空などは現在も、定期運航便の70%の運行を目指している。しかし国際線では現在も運航されているフライトは数少なく、その主な目的は海外の国民を帰国させることだ。

編集=遠藤宗生

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