マーケット、ミレニアル世代、マネー担当。

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米シェアオフィス大手のウィーワークは、投資家や社債保有者に対して、資金面に問題はないと説得するのに躍起になっている。同社は、新型コロナウイルスのパンデミックが続く間も大半のオフィスを開き続けることを決めているが、利用者などから疑問の声も上がっている。

経営不振にあえぐウィーワークは3月26日、自社の投資家向けウェブサイトに手紙を掲載し、その中で、同社には2019年末時点で44億ドル(約4700億円)の現金または融資枠があり、これは現在の危機の克服と5年計画の実現に十分な額だと訴えた。さらに、19年通期の総収入が前年比90%増の35億ドルに上ったこともアピールしている。

ただ、そこでは同期の損失については触れていない。昨年の新規株式公開(IPO)の頓挫前に出された有価証券報告書によると、18年通期は収入が18億ドルあった半面、19億ドルの損失を計上していた。社債保有者宛ての報告書によると、損失は膨らみ続け、19年7〜9月期には12億5000万ドルに達している。

社債保有者の多くにとって、ウィーワークによる今回の「説得工作」は遅すぎたのではないか。実際、ウィーワークの社債は26日、額面1ドルに対して43セントと、24日の62セントからさらに下落した(利回りは上昇)。価格はすでに24日時点で、債務不履行(デフォルト)、ことによると経営破綻を起こすリスクのある企業につけられるような水準だった。

米格付け会社S&Pグローバル・レーティングスは23日、すでにジャンク級にあるウィーワークの信用格付けをさらに引き下げ、一段の格下げもあるとの見通しを示していた。

ウィーワークを巡っては、最大の出資者であるソフトバンクグループ(SBG)が、ウィーワークの既存株主から30億ドル分の株式を買い取る約束について、見直しもあり得るとの考えを示している。SBGはその理由として、米証券取引委員会(SEC)や司法省がこの買い取りについて調査していることを挙げている。

新型コロナウイルスの拡大を阻止するため世界各地で企業が活動を休止するなか、オフィスを開き続けるというウィーワークの方針は、テナントや一部従業員の反発を招いている。同社ウェブサイトによると、北米で運営するスペースで、26日時点で閉鎖しているところはない。利用者や従業員に感染者が出たスペースでは、フロアの消毒作業のため短期間閉鎖した後、営業を再開している。

ウィーワークは3月12日以降、従業員に在宅勤務を認めている(義務づけではない)が、3月第4週からは、担当スペースに出勤したコミュニティサービスチームのメンバーに、1日当たり100ドルの手当を支給している。

一方、返金を求めているテナントに対しては、ウィーワークが大家に賃料を支払う必要がある限り、利用料の支払いを求めるとの通知を出している。

オフィスの営業を続けるという決定について、会長のマルセロ・クラウレと最高経営責任者(CEO)のサンディープ・マサラニは「医療サービスの提供者や保険業者から、洗浄剤のサプライヤー、公共交通の事業者まで、企業は活動するために当社を必要としている」として擁護している。

編集=江戸伸禎

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