ビジネス

2020.04.21

アメリカに学ぶ、2020年のマーケティング重要な3つのポイント

新サービス、マーケットに対しては自社のミッションに加えユーザーの声が重要となる。正解は会議室にはない。


番外編:流行りで終わらせるべきではない、インクルーシブマーケティング

2019年トレンドでも紹介し、その後も「令和に絶対押さえるべきインクルーシブマーケティングとは。事例6選」でも取り上げてきた。言葉の説明について、一部抜粋する。

" インクルーシブマーケティングとはダイバーシティ(多様性)を受け入れ、それを考慮し、マーケティング活動へ反映させることだ。ダイバーシティーがインクルードされている(含まれている、受容されている)マーケティングである。"

これにより、マイノリティとされる人たちが、自分たちも企業のサービス対象に含まれているという自覚を持てるようになるのだ。

詳細はそれぞれの記事を読んでいただきたい。これは、GAFAやアメリカの大手スタートアップですらいまだに炎上しているトピックだ。


自宅フィットネスマシンのスタートアップPeloton。2019年8月にはIPOを果たし、順風満帆かと思われたが、2019年ホリデーシーズン向けに公開した動画広告が株価を下げるまでの大炎上を巻き起こしてしまった。動画は、クリスマスプレゼントに夫が妻にPelotonをプレゼントするシーンから始まる。妻役を演じる女優の表情も絶妙で、不安と嬉しさのようなものが混じった表情で初めてのエクササイズを開始。その後もしんどいトレーニングを続け、1年後にドキュメンタリー風に自分の姿をまとめ、「ありがとう」と夫にその動画を見せる。
その後、メディアやソーシャルメディアでは、「夫が妻に(必要ないのに)ダイエットをするようにしている」「彼女の頑張っている姿が虚しく見える」というようなコメントが上がってきてしまった。


ただ、ここサンフランシスコやアメリカ都心部を中心に、色々な活動が行われているのも事実だ。企業の取り組みについてはこちらの記事にある通り。各地域でのイベントやコミュニティでもマイノリティー向け、女性フォーカスなものなどが増えてきている。

これはトレンドという一時的なものにするのではなく定着させて、トレンドとして扱わなくても当たり前のものになっている状態を目指す必要がある。

日本は特にダイバーシティ、インクルーシビティ後進国だと感じ、番外編として付け加えた。

まとめ:未来予測は無理


最後に全てを覆すようなことを発言したが、理由がある。そもそも我々を取り巻く環境が VUCA(Volatility:変動性、Uncertainty:不確実性、Complexity:複雑性、Ambiguity:曖昧性)だからだ。

また、ご存知の通り、トレンドは万能薬ではないため、「この方法が絶対!」といった印象を与えかねない書き方も気が引けた。

ゆえに少し概念的な内容が多いが、どれもアメリカでの流れを説明したものだ。マーケターであれば、トレンドを把握しておく必要があるのは常ではあるが、それに飛びつくのではなく、自分のブランドやユーザーにとってどれが最適なのかを試行錯誤して選んでいくのもマーケターの役割なのだと思う(自戒の念も込めて)。

(この記事は、btraxのブログfreshtraxから転載したものです)

文=Yasuko Katsumata(btrax)

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