台湾とアジア地域に関するあまり知られていない話題をカバー

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台湾のフォックスコンは3月29日、中国の工場で働く従業員数らが生産ラインに復帰し、新型コロナウイルスの感染拡大によって低下した生産キャパシティが回復しつつあると述べた。中国では外出制限の解除も進んでおり、国内向けの需要にも回復の兆しがみられるという。

しかし、西側諸国は依然として感染拡大への対処に苦しんでおり、需要の本格的な回復は当分先のことになりそうだ。

フォックスコンは近年、中国以外に製造拠点を広げているが、現在も組立工程の半分を中国で行っている。同社はアップルのiPhoneのほか、世界の主要ブランドのPCの組み立てを担っている。フォックスコンは中国の深センに巨大な工場を構えている。

労働者の復帰が進むなかで、フォクスコンにはシャオミやファーウェイなどの中国メーカーから、以前と同レベルの受注が舞い込んでいるという。しかし、中国が新型コロナウイルスの感染拡大から脱出しつつある一方で、その他の国の製造拠点や、市場は厳しい状況に直面している。

フォックスコンは3月25日、インド政府の命令に従い、同社のインド工場を少なくとも4月14日まで閉鎖すると宣言した。さらに、米国のウィスコンシン州で始動する予定だった液晶パネルの製造も、大幅に遅延する見通しだ。ベトナム工場のオペレーションは続行中だが、部品の納入の遅れにより、製造は遅延しているという。

調査企業TrendForceは、感染拡大の影響により今年の世界のスマホ需要は大幅に低下すると予測した。同社によると今年の世界のスマホ出荷台数は12億9000万台にとどまり、2019年から7.8%の下落になる見通しという。

一方で、Market Intelligenceはフォックスコンが将来的には、東南アジアでの製造に注力していくことになると予想する。同社のシニアアナリストのPan Chien-kuangは、フォックスコンは中国以外で製造を行うことにより、米国政府が中国製品に課した制裁関税から逃れられると指摘した。

「新型コロナウイルスの感染拡大がスマホの製造分野に与える影響は、短期間にとどまる見通しだ。一方で、米中間の貿易対立は中長期にわたり業界に影響を及ぼすことになる」と、Panは分析した。

編集=上田裕資

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