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2020.04.01 16:30

YouTube共同創業者、1億ドルを台湾のスタートアップに出資へ

スティーブ・チェン(Brian Ach/WireImage)

ユーチューブの共同創業者が台湾のスタートアップ支援に向けて1億ドル(約108億円)以上のファンドを立ち上げ、若手起業家らの海外進出を加速させようとしている。

台湾生まれのスティーブ・チェン(陳士駿)は2005年に、ペイパル時代の同僚のチャド・ハーリーやジョード・カリムと共にユーチューブを設立し、CTOを務めていた。チェンは台湾の元国会議員のJason Hsuと共同で、今年の中旬にファンドを立ち上げる予定という。ファンドの名称はまだ決まっていない。

チェンは2014年から2018年にかけて、グーグルベンチャーズに在籍していた。関係筋によると彼は、各国の有力起業家と共に今回のファンドを設立するという。

Hsuによると立ち上げ時に用意する資金は1億ドルから1億5000万ドルになる予定で、合計で約10社を支援対象とする。そのうち4社は薬剤と人工知能関連のスタートアップになるという。

チェンとHsuらは、現状では金額は未定だが、自己資金を投じるという。彼らは残りの資金を外部から調達する計画だ。今回のファンドは、海外進出を目指す台湾のスタートアップの支援を目的としている。

「我々のチームは台湾のスタートアップのエコシステムを熟知している」とHsuは述べた。

Hsuによると、台湾政府もスタートアップ支援を行っているが、ユニコーン企業を生み出す結果にはつながっていないという。「政府は子供にキャンディーを与えるように、新興企業を支援しているが、スタートアップの成長には起業家同士のつながりが必要だ」と彼は話した。

台湾には膨大な数のスタートアップが存在するが、ユニコーンに成長を遂げたのは、電動スクーターメーカーのGogoroと、AIを活用したマーケティング企業のAppierのみとなっている。

現地のスタートアップ関係者は、チェンらが設立するファンドが、支援対象を絞り込むことで、政府のファンドよりも良い結果をもたらすと期待している。

編集=上田裕資

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