シグナが提供するプランの加入者は5月31日まで、この措置の適用対象となる。一方、ヒューマナは現在のところ、“終了日”を設けていない。
両社はCOVID-19については、遠隔医療での相談から医療機関での検査、治療までにかかるあらゆる費用を適用対象とする。シグナは加入しているプランで指定されている(ネットワーク内の)医療機関以外で受診した場合も対象とする。
シグナのデビッド・コルダーニ最高経営責任者(CEO)は声明で、「COVID-19の感染の懸念がある当社プランの加入者はすべて、このウイルスとの戦いと感染拡大の抑制に集中的に取り組むべきだ」と指摘。「加入者が健康を取り戻すことに集中する間、私たちが彼らを支援する」と述べている。
両社の取り組みが加入者にとって大きな意味があるのは、すでにその他の保健会社が対象としていた検査と診断だけでなく、非常に高額になる可能性が高い治療費や入院費、薬代も自己負担分を免除することにしたため。
米国で新型コロナウイルスへの感染が確認された人は、すでに16万人を超えている。ヒューマナのブルース・ブルサード社長兼CEOは29日に発表した声明で、次のように述べている。
「健康に関するこの前例のない危機に直面するなか、わが社は保険加入者の支援において、特別な位置づけにある」
「そのためわが社は、高齢者をはじめ現在困難な状況にある加入者たちの負担を軽減するため、この意義深い行動を取ることにした。COVID-19の治療費の支払いに不安を持つ米国人がいてはならないと考えている」
一方、ドラックストアチェーン大手CVSヘルスは両社の発表以前に、傘下の医療保険大手エトナのプランに雇用主を通じて加入している人がCOVID-19で入院した場合、患者の自己負担分を免除することを明らかにしている。
また、31日にはユナイテッドヘルス・グループのユナイテッドヘルスケア保険が、プランによって5月31日、または6月18日まで、治療費の自己負担分を免除すると発表した(検査についてはすでに対象としていた)。
シグナとCVSのほか、アンセム、センティーン、ブルークロス・ブルーシールドなど多くの医療保険会社が加入している業界団体、米国医療保険プラン(AHIP)のメンバーはその大半が、COVID-19を巡る患者の費用負担を軽減するための措置を講じている。