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村上:実は僕も戦略的に動いてきました。もともとはエンジニアとしてひたすらコードを書いていました。ただ、30代も半ばになると、このまま若者と戦っていくことは難しいと感じるようになりました。そうなると開発部長のような管理職ポストを用意されるんですが、個人的にはあまり興味がない。

「それよりも自分が関わったサービスを通じて社会にインパクトを出す方が好きだ」という話をしたら、ちょうど社内で盛んになっていたM&Aや企業戦略まわりに関わらせてもらえるようになった。なぜなら、投資対象の技術を評価できる人材が不足していたから。そのときに気づいたんですが、コーポレート関連にエンジニアのバックグラウンドのある人は少ない。「結構いいポジションなのでは?」と思い始めてからは、両輪でやるようになりました。

moto:まさにキャリアの掛け算ですよね。自分に何を掛け合わせたら、世の中にいないポジションを取れるのか、そのポジションを取ると、どこへ行けるのか。

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村上:基本的に人材市場も“市場”なので、需給をチェックすることが大事です。レアになればなるほど美味しいポジションだと言える。そして、自分が何をしているときが楽しいのかを理解する必要があります。仕事のモチベーションはひとそれぞれだし、新規事業をやるひとだけでは世の中は回らない。地道にコツコツタイプのひと、コミュニケーションの自信があるひと、奇抜なアイデアを発信できるひと、それらを俯瞰して、突き詰めていくことが大切だと思います。

moto:市場の全体感を把握して、自分のポジショニングを明らかにする。そのうえで今持っている武器と何を掛け合わせたらどうなるか、みたいな計画をマッピングしていくことが大事ですよね。

村上:よく「どの業界がこれから伸びるんですか?」という質問をされるんですが、ぼくはとにかくインターネット業界だと答えています。産業全体がネット化していくので、ネット関連のスキルはますます需要が高まると思う。ネットにいる人は異業種を見るべきだし、異業種にいるひとはネットを見るべきです。この考え方は鉄板だと思います。

moto:少し話はずれますが、ツイッターをやっていると、「私に足りないスキルは何だと思いますか?」という質問をよくもらうことがあって。多くの人が答えを、他人に求めてしまう傾向は最近強くなった気がします。

村上:自分の頭で考えることはすごく大切です。今までは会社から辞令が下りて、環境の変化に適応するために頑張って、2〜3年したら次のローテーションがあってというスパイラルなので、自分の頭でキャリアについて真剣に考えるタイミングがない。

僕は自分のキャリアについて積極的に人事に提案しに行っていましたけど、普通の人は「人事にそんなこと言っていいの?」となってしまうそうで……。どうすればいいんでしょうね?

文=田中嘉人 写真=小田駿一

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