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moto:日本人は滅私奉公といいいますか、会社に“雇ってもらっている”という捉え方で働いている人が多いですよね。逆に会社を“利用する”という観点で働いている人は少ない印象があります。

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村上:「恩」とか「義理」とかね。いまだに「転職=裏切り」みたいな考えのひともいるようです。僕は自分の名前をグーグルで検索すると「裏切り者」というサジェストが出ていたくらいですからね(笑)。でも、そういう風潮って何が原因なんでしょうね。

moto:裏切り者ですか(笑)やはり、いまだに会社の立場が強い状態であるのも現実ですよね。でも、僕は今後は個人が強くなっていくと思っています。年収交渉も自分でしっかりしなきゃいけないし、将来のキャリアも会社に用意してもらうのではなく自分で取りに行くような動き方をする必要がある。だから、日本企業の人事サイドも変わっていかなければいけないんと思います。

村上:最近、人事側でも「社員エンゲージメント」が語られるケースは増えてきましたよね。ただ、新卒研修に関しては無理が生じてきているような気がしています。「採用したら数年間は給料を払いながら学ばせて、10〜20年の長いスパンで回収する」みたいなモデルが通じなくなってきている。だから、会社としても自社以外の選択肢も視野に入れながら、いる間はなるべく楽しく働いてもらうために福利厚生の整備に注力するようになっていくのかもしれませんね。

moto:最近だと総合職採用も崩壊しつつありますよね。もちろん、総合職で入社して、いろんな部署を経験することで、自分に合う仕事やスキルを見つけられると思うんですけど、別に社内に拘る必要もないんですよね。それこそ、リンクトインを通じて知り合ったひとと、社外でつながって、自分の評価を得るとかもできるわけで。

村上:お互いに散々言ってきましたが、別に悪いことばかりではないんですよ。たとえば「違うロール(職種)に移る」選択肢がこれだけ簡単な国はないと思います。例えばアメリカで違う職種に移ろうと思ったら、大学院から学び直したり、大きくポジションを下げて1からスタートしなければいけなかったり……。でも、日本は営業をやっていた人が「マーケティングに興味があるから」という理由で人事に交渉すると、すんなり叶ってしまうこともある。そのあたりのゆるやかさはとてもいいと思います。

会社と対等に交渉していくためのバリューづくり


村上:そうなってくると、自身のキャリアをデザインしていくためにはやはり今回のテーマである「主体性」がカギになってくると思います。motoさんはとても戦略的にやられている印象を受けるのですが、実際どのように考えていますか?

moto:ぼくは自分を“商品”として捉えているので、売り先としてマーケットは常にウォッチしています。もう少し具体的にいうと、常に転職エージェントのコミュニケーションを取ったり、スカウトサイトに登録してオファーをもらえるようにしておいたり。いまの自分のバリューを把握できる状態はつくっていますね。現状を把握できないと次のアクションがわからないから、主体性を持てない。自分の立ち位置をGPS的にウォッチしておくだけでも次のアクションにもつながるので、必然的に主体性も生まれると思います。

文=田中嘉人 写真=小田駿一

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