しかしそれ以外は、日本ではおおむね通常どおりです。日を追うごとに明らかになるイタリアの悲惨な状況や、ニューヨークやカリフォルニアでの州規模での閉鎖を見聞きしていると、東京がこんなに平和そうなのは不気味なくらいです。もし宇宙人が東京に飛来したら、パンデミックの真っ只中だとは夢にも思わないでしょう。
この食い違いが日本国外の人々を困惑させています。 「A Coronavirus Explosion Was Expected in Japan. Where Is It?」というBloombergの記事は何千回もTwitterで拡散され、「日本は問題を無視しているだけなのか、それとも実際に事態をコントロールできているのか」という議論を呼びました。
日本が有利となる要素はいろいろとあります。
1. 他者との物理的な接触が少ない文化(握手をしない)
2. 衛生意識の高い文化
3. 充実した医療制度(人口あたりの病床数は世界のどの国よりも多い、国民皆保険制度がある、肺炎に対する備えも)
4. 比較的パニックがなく、医療システムへの負荷も小さい
5. 元からよくマスクを着用する傾向があった(これが感染拡大を抑えます)
そうは言っても、このパンデミックが世界規模でどれほど深刻化しているかを考えると、すでにピークを過ぎたとは考えにくいです。日本も例外ではなく状況は悪化していくでしょう。そして経済的な影響は少し経ってから、徐々に現れることでしょう。
相互に繋がったこのグローバル経済では、遠く離れた国々での都市閉鎖や一時解雇(レイオフ)であっても間違いなく日本に打撃を与えるでしょう。ですから、国内がどれほど平和であっても、状況を軽視してはいけません。