コロナで給与カットも痛くない? C・ロナウド、生涯収入10億ドル超えへ

クリスティアーノ・ロナウド(Samuel de Roman/Getty Images)

イタリアのサッカー1部リーグ(セリエA)のユベントスは3月28日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けた活動休止中のコスト抑制のため、選手・監督側と給与カットで合意したと発表した。

ユベントスによると、3〜6月分の給与を削減することで1億ドル(約108億円)ほど節約できる見通し。セリエAの試合が再開し次第、通常の給与が支払われるとしている。

調査会社スポーティング・インテリジェンスのまとめによれば、ユベントスの年俸総額はセリエAで最も高く、今回の削減は年俸総額の3割に相当する。

フォーブスの昨年の推計では、ユベントスの価値は15億1200万ドル。昨年の収入は4億8000万ドル、利益は4700万ドルだった。

欧州メディアは、クラブ最高額の給与を受け取っているFWクリスティアーノ・ロナウドは、424万ドルの減給に同意したと伝えている。ただ、この額は、広告費などを含めたロナウドの全収入からするとあまり大きくなく、クラブ全体の給与カット額に対する割合でも4%にすぎない。

ポルトガル代表FWのロナウドは昨年、1億900万ドル(うち6500万ドルが給与・ボーナス)を稼いだ。サッカー選手としては2位、スポーツ選手全体でも最高クラスの高額所得者だ。

フォーブスの試算では、ロナウドの今年の給与は3割カットされてもなお4600万ドルある。これに加え、ナイキや、下着や靴、香水などを展開する自身のブランド「CR7」などの広告料が4500万ドル入る。

計9100万ドルの年収は、ロナウドが今年もスポーツ選手の長者番付で最上位クラスにつけるということだ。また、今季末の時点で、ロナウドの生涯収入は10億ドルの大台に乗るとみられる。現役選手で生涯収入が10億ドルを超えたのは、過去にゴルファーのタイガー・ウッズ(2009年)とボクサーのフロイド・メイウェザー(17年)の2人しかいない。

ロナウドはこれまでに、新型コロナウイルス対策を支援するためポルトガルの病院に180万ドルを寄付している。ロナウドを巡ってはこのほか、家族が自己隔離できるように島を購入したとか、ポルトガルに保有するホテルを病院に使ってもらうことを提案したとかいう報道もあったが、代理人はフォーブスの取材にそうした事実はないと認めた。

欧州のサッカー界ではこれに先立ち、ドイツ・ブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンやボルシア・ドルトムントなど、多くのクラブの選手らが給与カットを受け入れている。

イタリアでは3月9日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響でセリエAの試合を少なくとも4月3日まで中止することを決め、その後、中止期間は無期限に延長された。

イタリアは欧州で新型コロナウイルスの感染が最も深刻となっており、世界保健機関(WHO)によると国内の死者はこれまでに1万人を超えている。

編集=江戸伸禎

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