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「個の時代」に、生きるチカラとしての“営業力”を


2017年に、私の会社(TORiX)が調査したデータによれば、お客さまは値段の安さよりも、「費用対効果に納得感があること」を大事にされています。営業する側としては、お客さまの判断基準を理解し、要望に貢献する姿勢が必要となります。

しかし、多くの営業の人間は、「この商品をお客さまにおすすめせよ!」「今月の売上目標は◯◯円が必達!」など、売る側の方針や目標に関する情報を日々大量に受け取っており、「お客さまが本当に求めていること」を見逃しがちです。

売り手と買い手の間に存在するこの「ズレ」を解消するためには、お客さまが本当に求めていることを理解することが重要となります。

4つに分類される営業のスタイル


私は、毎年3000人以上の営業職の方と話しますが、典型的な営業のスタイルは、次の図の4つ、「豪腕」「愛嬌」「奉仕」「戦略」に落とし込むことができます。


典型的な営業スタイルは主に4つに分類される 出典:TORiX

図の縦軸は、お客さまにこちらから「提案」するタイプか、あるいはお客さまの「御用を聞く」タイプかという分類で、横軸は、「お客さまのために」が起点となっているか、あるいは、自分の数字目標やインセンティブなど「営業自身のために」が起点になっているかという違いです。

豪腕型は「圧倒的プッシュで押し切る」、愛嬌型は「売れるためには何でもやる」、奉仕型は「お客様に寄り添ってとことん尽くす」、戦略型は「お客さまの目的と商品をうまく結びつける」といった、それぞれの特徴があります。

冒頭にお話したように、この10年で、急激に営業を取り巻く環境が変わってきています。「みんなが欲しいもの」がなくなってくれば、豪腕型や愛嬌型などの営業寄りの視点でのコミュニケーションは、お客さまから敬遠される傾向にあります。

また、「何が欲しいか」がよくわからないお客さまの要望を、ただ聞くだけの奉仕型を貫いても、こちらが消耗してしまうだけです。

そこで、いま私が、あらためて注目するのは、図左上の戦略型です。お客さまの言葉の裏側にある目的や欲求を、自らの質問力によって掴み、そこへと商品の価値を訴求し、先方に納得していただけるストーリーを提示していくというやり方です。

これを、限られた営業活動の時間のなかで、どうやってスムーズに進めていくか。こういった考えを持って活動をしている営業の人間が、これからの時代はどんどん成果を上げやすくなります。

まさしく、先程のAさんは、質問をしながら私の目的を捉え、私に対して「他の2社より多少高くても、面倒や不安がないのでAさんにお願いしたい」というストーリーを描いてくれたわけです。

Aさんに限らず、成果を上げている営業の人間は、個性の違いはあっても、お客さまの目的を確実に押さえたうえで、商品との間にズレを生じさせないという意識を持っています。

みなさんも、目の前の商品とお客さまの要望との「ズレ」を敏感に捉え、本当の目的に沿って筋道を描ける「戦略型」の営業を展開してみたらいかがでしょう。

連載:「個の時代」に、生きるチカラとしての“営業力”を
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文=高橋浩一

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