DINETTEは2017年3月に創業。コスメ動画メディア「DINETTE」を運営するほか、2019年からはプライベートブランド「PHOEBE BEAUTY UP(フィービービューティーアップ)」も展開している。動画メディアは運用開始から、わずか5カ月で月間再生数150万を突破し、現在、各動画は平均10万再生にもなっている。
「PHOEBE BEAUTY UP」はDINETTEのファンたちから得たニーズをもとに、まつげ美容液とフェイスマスクを販売している。もちろん、パッケージはどこから撮っても“映え”る。
DINETTEの代表取締役を務める尾崎は、大学在学中に日本テレビ系列で放送されていた情報番組「PON!」で“お天気お姉さん”としても活躍していた人物。大学卒業後、就業経験もないまま手探りで起業し、動画撮影も見様見真似でスタート。瞬く間に、20代を中心とした女性からの共感を集めることになる。しかしなぜ、芸能界に活動ではなく「起業」を選んだのか。その裏にある思いを聞いた。
就活で“ワクワクする仕事”に出会えない
尾崎が芸能活動をしていたのは、大学生1〜4年の頃。卒業後も続けるか迷った結果、全く違うことをしたくなったという。そして本格的に就活をスタートさせるわけだが、求める“ワクワク”がなかなか見つからない。
「芸能活動は刺激が多く、いつもワクワクしていました。大学を卒業した後も、そんな仕事がしたいと思っていたんです。でも、自分の中でピンと来るものに出会えなくて。そんなとき、インターン先のベンチャー企業で、起業という手段があることを知りました。そこから自分なら何ができるのかを考え始め、たどり着いたのがDINETTEだったんです」
「最初は、完全にノリでした」と、笑顔を見せながら当時を振り返る尾崎。創業した2017年は、ちょうどレシピ動画が流行し始めたタイミング。美容情報に関しても、雑誌からインスタグラム、ユーチューブなどの動画系メディアに移行し始めていた。
「当時から美容動画はありましたが『もっとわかりやすい動画があったらいいのに……』と思っていました。そこで、友だちに協力してもらいながらメイクの基礎が手軽にわかるハウツー動画を撮ったり、自分でアイメイクしているところを撮ったりして、どんどんインスタグラムやユーチューブにアップしていきました。
試行錯誤しながら作ってみてわかったのは、『(いい意味で)作り込んでいない動画』『基礎がわかる動画』はエンゲージメントが高い、ということ。現在はプロのカメラマンやモデルに協力してもらいながら撮影していますが、変わらず『誰でも真似できそう』な動画づくりを心がけています」
メディアでは、動画を埋め込んだ読み物コンテンツも掲載。種類別のブラシや新作コスメを細かく伝えることで、ユーザーから「これを見て買いました」という反応を増やしていった。そのため、クライアントの出稿継続率も安定しているという。