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2020.04.07

フィアット・クライスラー、新型コロナ対応で欧州の生産拠点一時休業

Getty Images

フィアット・クライスラー・オートモービルズ(以下、FCA)は3月16日、FCAイタリアとグループ企業、マセラティのヨーロッパにある複数の工場での生産を、一時的に停止すると発表した。

「この休業は一時的なものだ。COVID-19による緊急事態へ対処する目的で、広範にわたる措置を実施する。また、これによって、マーケットの需要減に効果的に対応することにもつながり、供給とのバランス改善となる。とくに、生産の一時停止は、マーケットの状況が改善し次第、我々グループがすばやく生産を再開できる状態を確保している」とFCAグループは説明している。現に4月2日時点で再開準備中、政府の許可を待っている状況だ。


写真=Forbes Italia

今回の生産計画の変更により、以下の工場が一時休業中だ。

イタリア=メルフィ、ポミリアーノ、カッシーノ、ミラフィオーリ、グルリャスコ、モデナ
セルビア=1工場
ポーランド=1工場

また、FCAグループはそれぞれの生産工場での工程に、作業中の従業員同士の間隔を拡張するなど、グループ主導で変更を加えることを決定した。さらに、グループが持つすべての施設で、清掃及び消毒を行う頻度を高め、従業員の安全を守る目的で、さらなる環境改善を行うとしている。

グループの全施設に設置されている食堂、及び外部からの訪問者に対し、厳格な管理と安全措置を実施している。オフィス業務に関しては、企業はテレワークの実施を加速させている。

FCAグループは、今回の生産一時停止期間を、生産工程の見直しと、顧客満足度と総合的な生産性を高める品質管理に活用するとしている。FCAグループは、生産を一時停止するものの、今後、マーケットの需要が回復するのに合わせて、これまで予定していた生産計画のレベルまで生産量を戻せるように、提携するサプライヤーやパートナーとともに調整を進めているという。

文=Forbes Itallia 翻訳=大村紘代 編集=石井節子

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