日本の新型コロナへの対応は「ギャンブル」? 海外メディアの反応

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日本人は満開の桜を楽しんでいる/AFP


3月22日に配信された動画には、「この状況でも日本人は満開の桜を楽しんでいる」というテロップとともに、公園で多くの人が花見を楽しむ様子が映された。

宴会客のひとりは、こうコメントを残している。

「警察官が見回りをしていて、注意されることも心配していたんですが、今のところ撤収しろとは言われていませんね。普段なら、桜の季節は毎週末花見に出かけるんです。でも今年は一回だけ。今日だけしかやらないって決めています」

和歌山県の対応を紹介/The Washington Post


3月23日、迅速かつ的を絞った検査を行うことで、いち早く新型ウイルスを撃退し、感染の連鎖を断ち切ることができる教訓として、和歌山県の対応を紹介した

1月末に県内の病院でひとりの医師が体調不良を感じてから、4人が同じ症状を発症。院内感染の疑いもあったが、当時の検査のガイドラインは、主に中国への渡航歴がある人と、感染が確認された人の濃厚接触者に検査対象が限られていた。

そこで同病院と県は、国の指示を待つことなく独自のPCR検査基準を設け、徹底した接触者の追跡で感染の連鎖を断ち切った。事実、3月28日時点での県内の感染者は17人と、感染者数を抑えることができている。

しかし翌24日の記事では、「日本での新型コロナウイルスの恐怖感は和らぎ、社会的距離は縮まっている。早すぎないか?」という見出しとともに、上野公園の満開の桜の下に、マスクを着用した多くの日本人が集まっている写真を掲載。

22日には格闘技イベントがさいたまスーパーアリーナで開催され、約6500人が詰めかけた会場の様子や、仙台ではギリシャから届いたオリンピックの聖火を見ようと5万人以上が集まったことを報じた。

新型コロナウイルスは、脅威ではない/ブラジル大統領ジャイール・ボルソナーロ


「これが日本のコロナウイルスだ。隔離政策を続ければ、カオスとウイルスが一緒になってしまう」

24日、日本で花見をする人が多く映る動画とともに、自身のツイッターでこうコメントしたのは、ブラジル大統領のジャイール・ボルソナーロだ。新型コロナウイルスへの危機感をほとんど示していないことで、国民から批難を浴びている。

大統領は、「経済を止めてはいけない」と、国民へ危機意識を喚起する保健大臣や、独自で外出自粛条例や学校の閉鎖措置を出している各州知事らと対立する姿勢を取っている。

新型コロナウイルスは脅威ではない、と説得材料に取り上げたのが、日本の花見客の様子だった。

文=Forbes JAPAN編集部

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