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2015年1月、フロリダ州ケープカナベラルから発射されるアトラスVロケット(Dewey Hare / Shutterstock.com)

昨年12月にドナルド・トランプが発足させた、米国の6番目の軍隊「米国宇宙軍(U.S. Space Force)」による初の宇宙ロケット打ち上げが3月26日、実施された。今回打ち上げられた衛星は、次世代の軍事通信ネットワークの構築を担うものだ。

今回、軌道に投入されたのはAEHF-6と呼ばれる通信衛星で、米国が整備を進める新型の軍用通信衛星システムの構築を担うことになる。打ち上げには、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)のアトラスVロケットが使用され、フロリダ州ケープカナベラルの施設から発射された。

ロッキードマーティン社が製造したAEHF-6は、高度な耐久性を備えた陸海空の軍事オペレーションで利用可能な通信衛星だ。新たに構築される軍用通信衛星システムは、カナダやオランダ、英国などの同盟国にも利用される。

米国は2010年から、既に5つのAEHF衛星を高度約3万6000キロの静止軌道に送り込んでおり、今回のAEHF-6はその最後のものとなる。

ULAによると、今回の打ち上げで、同社のRL10エンジンをアッパーステージに搭載したロケットの打ち上げ回数は500回に達したという。ULAは、2006年1月に実施したNASAの無人探査機ニューホライズンの打ち上げにも、今回と同じ551と呼ばれるアトラスVロケットの配列を用いており、551の累計利用回数は10回に達したという

宇宙開発分野ではここ最近、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、多くのロケット打ち上げが延期されているが、今回の打ち上げは計画通りに実施された。

「困難な状況下においても、国家の安全保障は最優先されるべき課題だ」とULAのバイスプレジデントのGary Wentzは述べた。

「米国宇宙軍にとって初の宇宙ロケットの打ち上げに参加できたことを、光栄に思う。AEHF衛星が米国の安全保障を高め、コミュニティの安全維持に役立つことを願っている」とWentzは続けた。

ドナルド・トランプは昨年12月に、国防権限法(NDAA)に署名し陸海空軍などと同格の宇宙軍を発足させていた。

宇宙軍の発足以前の、宇宙での軍事オペレーションは、空軍などの複数の軍の組織の管轄下にあった。今回の打ち上げの成功により、宇宙での米軍のプレゼンスを高めるというトランプの野望が、実現に一歩近づいたことになる。

編集=上田裕資

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