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規模は小さいけれども、世界を変える大きな可能性を秘めた企業を讃えるフォーブス ジャパンの「スモール・ジャイアンツ アワード」。地方大会を含めて、過去最大の規模で実施した第3回目となる今年は、グランプリを含めて19社が受賞企業となった。そのうちの1社が、「パイオニア賞」を受賞した教材メーカーのアーテック(大阪府八尾市)だ。

大阪の教材メーカーがどうやって世界的な玩具メーカーであるレゴやフィッシャーテクニックに勝ち、モンゴルの国家指定教材に採用されたのか。そのプロセスを知ることは、逆境に直面するすべての企業にとってビジネスのヒントとなるはずだ。3月25日発売のフォーブス ジャパン2020年5月号に掲載するインタビューを、一部抜粋でお届けする。


フォーブス ジャパン2020年5月号では逆境を克服した19社の「スモール・ジャイアンツ アワード」受賞企業を一挙公開



大阪の教材メーカー、アーテックが開発したロボットプログラミング教材「アーテックロボ」が、モンゴル全土の小学生を対象とする国家指定教材に採用され、同国教育省と売買契約を締結したのは2017年2月のことだった。

「夢でしたから、本当に選んでもらえて感無量でしたね。モンゴルでの式典に出席して、担当の営業マンと、現地のパートナーと固い握手を交わしました」

社長の藤原悦は、そう振り返る。競合相手は当初、数十社に及び、最終的には世界的な玩具メーカーであるレゴ、フィッシャーテクニックと競い合った。なぜ、アーテックが、世界の大手に勝てたのか。その理由は、約60年にわたって培ってきたユーザーと一心同体となったものづくりのノウハウにある。


モンゴルでは「アーテックロボ」が国家指定の教材に選定。全国約1万5000人の小学校教師が研修を受講した。

同社が開発する新製品は、年間約500アイテムに及ぶ。自社の営業や全国に構築した 3000社の販売代理店から新たな教育現場のニーズを日々吸い上げて、次々と製品化するのである。教育教材の業界は、小中高といった学校別、あるいは教科別に数多くの会社が棲み分けているが、アーテックはそれらすべてに総合的に対応する稀有な存在だ。

「学校の先生たちは、みなさん熱意があり、革新的な教育指導をしたいと考えるものです。ただ、学校には予算がそれほどありませんし、教材を自作する時間的なゆとりもありません。ですから、ひとりの先生が欲しい思う教材は、日本全体で見れば、それなりの数のニーズがあるはず。そう信じて、少量でもまずはつくるというスタイルを貫いています」

文=間杉俊彦、写真=佐々木康

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