レヴィンによれば、レストラン業界はいま「延命」に必死だ。新型コロナウイルスによる危機がみるみるうちに拡大し、レヴィンをはじめとするレストラン業界の人々は、その展開に付いていけていない。レヴィンは、つい1週間前にボストンに出張し、新しい提携について協議を行ってきたばかりだという。ところがいまや、かろうじて生き残っているような状態で、中核チームの雇用を継続する手段を懸命に模索している。
レヴィンは、フードデリバリー企業が存在していることに感謝している。シュロウ・レストラン・グループは幸いにも、2019年に傘下レストランを、グラブハブを含む全てのデリバリーアプリに登録していた。とはいえ、各レストランが少しでも利益が得られるよう、デリバリー企業は改めて調整を行わなくてはならないとレヴィンは言う。現時点では、それが「生き残るための法則」だと、同氏は述べる。「デリバリー企業が手数料を下げなければ、レストランはつぶれてしまうだろう」
アイスクリーム店を経営するサドラーは、レヴィンよりもはるかに不安定な立場に立たされている。「こんなふうに街全体がシャットダウンされた状態では、アイスクリームをデリバリー注文する人などほとんどいない。とくに、アイスクリーム価格に対する配達料の割合は、2人分の夕食の値段に対する配達料の割合よりもずっと大きくなってしまう」。自分のビジネスはいま、大きく揺らいでいるとサドラーは述べる。「本当に、非常に厳しい状態だ」