ライフスタイル

2020.04.04 11:00

不安なときこそ「日常に花」を 心を落ち着かせる自然のセラピー

日常に花を。

日常に花を。

花屋の代表が「花はいい」「緑はいい」と言っても、それはそうだろうと思う人が大半だと思います。

しかし、日本を含む世界各国の大学や機関では植物に関する様々な研究がなされ、花や緑がヒトに対してどう効果的なのかが発表されています。

その中でも興味深いのが、千葉大学のグランドフェローを務める宮崎良文先生が研究されている自然セラピーです。植物や花が五感にどう影響するのかを、実験から得た数値で示されています。


TedxTokyo「Nature Therapy」

例えば、成人男性が都市部と森林の中でそれぞれ15分歩いた時に、ストレス値とリラックス値がどう変化するかを調べた実験があります。その結果は、森林を歩いた後はコルチゾールというストレス値が12.7%下がり、副交感神経活動は103%昂進し、リラックスできることが判明しました。

いわゆる、「森林浴」効果です。これは多くの方が類似した体験をしたことがあると思います。


森林を歩いている様子

では、花はどうでしょうか。香りの少ない品種のピンクのバラをデスク上に飾り、視覚的要素に絞った実験をしたところ、ストレス値は25%抑制され、副交感神経活動は29%上がったそうです。

つまり、都市生活者であっても、わざわざ森に足を運ばなくても身近に花や緑を置くことで、同等の効果を一時的に得られるということです。

五感で楽しめるフラワーパークを


こうした研究の結果も踏まえ、青山フラワーマーケットが2021年春に竣工予定の「茨城県フラワーパーク」リニューアルプロジェクトを手がけるにあたり、「五感」をテーマにしました。

これまで、同園では入園客がパーク内で使うのは200円程度でした。おそらく、ぐるりとバラを見て楽しんだ後に、自動販売機でドリンクを買うような過ごし方だったのだと思います。

しかし、今回のリニューアルで、青山フラワーマーケットで培った花屋の「感性」とパーカーズ(空間プロデュースブランド)の「デザイン性」を最大限に発揮し「見る(鑑賞)」だけだったフラワーパークに、「香る」「聴く」「触る」「味わう」といった要素を加え、五感に訴える施設へと変貌させる計画です。


いばらきフラワーパーク 全景イメージ
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文=井上英明

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