同社は従業員を解雇するほか、マーケティングへの支出を一時停止し、不可欠なプロジェクト以外は中止、または縮小する。売り手に提供してきたブリッジローンや、より短期間のうちにより高額で売却するための支援プログラム「コンパス・コンシェルジュ」なども一時停止する。また、CEOの給料はゼロとし、その他経営陣は25%の減給とした。
パンデミック発生前から問題
コンパスはパンデミックが発生するよりもずっと前から、コストの削減を迫られていた。ソフトバンクが出資する同社の企業価値は、2019年7月の時点でおよそ64億ドル(約7130億円)と推計されていた。だが、そのおよそ2カ月後にコワーキングスペースのWeWorkが上場申請を撤回したことを受け、コンパスの企業価値とテクノロジーに関する信頼感にも、より厳しい目が向けられるようになっていた。
ソフトバンクは先ごろ、WeWorkの既存株主から30億ドル相当の株式を買い取るとの取り決めについて、実行を見送る意向を示したとされている。その後には、大規模な自社株買いと資産売却を発表した。これらによって、自社株のさらなる価値の低下を食い止めるのが狙いだったとみられている。
レフキンCEOは3月中旬、フォーブスの取材に対し、ソフトバンクからの資金援助は不要との見解を表明。「私が最も重視しているのは、ソフトバンクではなく1万5000人以上のエージェントたち、そして当社の顧客と2500人の従業員だ」と語っていた。