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表現力をよくするレシピ

ESB Professional / Shutterstock.com

仕事の能率は、感情に左右される。気分が良ければ捗るが、その逆も然りだ。

なかでも怒りの感情にはマイナスの強い力が働き、仕事が手につかなくなることもあるだろう。怒りをコントロールすることは、仕事の効率を上げるスキルとも言える。

怒りの原因となる相手がはっきりしている場合は、双方で、あるいは第三者を交えれば、解決できる。しかし、なんとなくイライラしているが、いったい誰に向かって怒っているのかわからない怒りもある。

そんなときは、怒りの対象を、「他人」と「自分」と「特定できない人」に分けて考えると、気持ちは案外たやすく整理できる。それぞれの対象に応じた対処法を紹介しよう。

関係のない他人に向けた怒り


私たちは、怒りの対象を「自分とは直接関係がない人」に向けやすい。たとえば、不正事件などが起きたとき。事件の背景や原因を調べるよりも、それに関わった人物から、事の善悪を判断しようする。なぜかといえば、自分の好悪で判断できるからだ。

しかし、ほんとうに、その人物に怒りが向いているのか、慎重に考えたほうがよい。それは、その人物の権力や財力や地位に対して嫉妬を感じているかもしれないからだ。自分がそこに執着をしているから、気に障っているとも言える。もしそうだと気づけば、自分の怒りは、つまらぬ排斥行動だとわかり、冷静になれるはずだ。

自分に対する嫌悪の怒り


自分の性格に問題があり、そのせいで周りからの低く評価されていると感じていたりするときは、自分に対して怒りを覚えることがある。理想の自分とは違うという不満からだ。子供じみた感情だとわかっていても、影のようにまとわりつき、自尊心を奪っていく。

このような自己嫌悪を抱いたら、行動と性格を切り離して考えればよい。たとえば、自分がものぐさな性格だと思っていても、季節に合わせて服は着替えているはずだ。性格が変わらなくても、環境が変われば自然と行動も変わる。その結果、習慣も変わり、長期的に見れば、性格にも影響を与える。自分の性格が、好きになれずに怒ってイライラしていたら、環境を変えてみるのも手だ。

誰に向けてよいかわからない怒り


誰に向けてよいかわからない、その理由も特定できない怒りはどうしたらよいだろう。

偶発的な事故や災害、あるいは突然に健康を害していると知らされたりしたときなど、怒りの対象はなかなか特定できない。やり場のない怒りは、諦めや悲しみとなって、心に留まってしまう。その状態から脱するためには、自分1人で抱えず、外に理解者を得ることだ。

そして、やり場がないのなら、むしろ覚悟を決めて怒りを抱え、怒りとともに過ごすという方法もある。逆転の発想で、怒りを、自分を発奮させるマグマのようなエネルギーに変えるのだ。

怒りを持つことは、自然な感情だ。そうかといって、年中イライラしていては、やがて身も心も疲弊してしまう。怒りは抑え込むのではなく、原因を理解して、冷静に対処することが大切なのだ。

連載:表現力をよくするレシピ
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文=中井信之

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