リモートワークや時差出勤で心がけたい3つの睡眠テクニック

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政府が「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を発表してからおよそ1カ月が経ちました。同方針では、感染患者の増加を可能な限り抑制し、流行を抑えることを目的に、企業に対して、発熱などの症状が見られる職員への休暇取得の勧奨、リモートワークや時差出勤の推進などを呼びかけています。

これまで出社することが当たり前と考えられていた私たちの働き方の常識も、この新型コロナウイルスの流行を機に大きく変わろうとしています。

一方、いつもとは異なる勤務環境がゆえに、いくつか問題点も現れてきています。今回は、リモートワークや時差出勤が毎日の睡眠におよぼす影響と、それらを解決する3つのポイントを紹介していきましょう。

1. 睡眠の個人差を考えない時差出勤は要注意


睡眠改善をサポートする私たちの会社がコンサルティングで関わった企業でも、新型コロナ対策の取り組みで、午前7時〜9時の混雑時に公共交通機関を使った出勤を控える会社が増えています。

一方で、退勤時間を遅くしたくない理由から、7時前に出勤して早めに帰るという人も出てきており、そのような人と話をすると、時差出勤前よりも睡眠がうまく取れなくなって、昼間眠くて仕事にならないと悩んでいたりします。

これは、とくにクロノタイプ(朝型か夜型かの体内時計)が「夜型」の人に多く見られます。夜型の人は、眠くなるタイミングが遅いため、早く起きようとすると睡眠時間が短くなってしまいます。さらに無理に早く寝ようとしても、なかなか眠ることができないのです。

夜型の人が時差出勤する場合は、早めにシフトせず、遅めの出勤をする方が、自分の睡眠の特性に沿って仕事でも優れたパフォーマンスを発揮しやすくなります。

早寝早起き、朝から仕事ができるビジネスパーソンが格好良いという概念は、睡眠科学の観点ではナンセンスです。これまでは出社時間が固定されていた人は特に、時差通勤が推奨されるこのタイミングをいい機会に、自分に合った働き方を探ってみてください。
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文=小林孝徳

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