しかし、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、現金の使用を控える動きが進む中、当局は支払い額の上限を4月から45ポンドに引き上げる措置に踏み切った。これにより、消費者はカードを決済デバイスの上にかざすだけで、最大45ポンドの支払いが可能になる。
コンタクトレス決済は、非接触決済とも呼ばれ、ビザやマスターカードなどのクレジットカードやデビットカードで利用可能となっている。
コンタクトレス決済では暗証番号の入力の必要がなく、カードを決済マシンに接触させる必要もない。英国と同様な措置がアイルランドでも導入され、決済の上限は既存の30ユーロから50ユーロに引き上げられた。
世界保健機関(WHO)は現金に触れた後の手洗いを推奨しており、キャッシュの取り扱いを停止する店舗も現れた。英国では3月24日時点で、6700人以上のコロナウイルス感染者が確認されており、335人が亡くなっている。
英国の小売業の業界団体British Retail Consortium主任のAndrew Creganは「決済上限の45ポンドへの引き上げは来週から始動するが、機器の準備の遅れによって期限までに対応できない店舗も発生する。一方で、大半の店舗ではスマートフォンを用いれば、より高額な決済も可能だ」と述べた。
米国疾病予防管理センター(CDC)は、新型コロナウイルスは主に人を媒介して感染し、感染者の咳やくしゃみで拡散した飛沫を吸い込むことで、感染が広がる場合が多いと述べている。物体の表面に付着したウイルスに第三者が触れ、その指で口や鼻、目などに触れた結果、感染する場合もあるが、これは感染拡大の主要なルートではないとCDCは述べている。
ロイターの報道によると、米国の連邦準備制度は念のため、アジア地域で使用されたドル紙幣が、米国で流通する前に隔離しているという。